日本のTop100ブランド価値総額は対前年成長率6.9% メルカリが最高成長率/インターブランド調査

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
2022/03/01 12:00

 ブランディング会社であるインターブランドジャパンは、ブランドの持つ価値を金額換算する独自のブランド価値評価(Brand ValuationTM)手法を用い、日本発のブランドを対象としたブランド価値ランキング「Best Japan Brands 2022」を発表した。

 今年で14回目の発表となる同ランキングは、インターブランドが2000年より毎年発表するグローバルのブランド価値ランキングBest Global Brands と共通の評価方法を用いており、グローバルのリーディングブランドと日本ブランドの価値を同じモノサシで比較することで、ビジネスの資産としてのブランド価値を世界基準で考察する。

 今回より評価対象基準を改訂し、これまでの「上場」基準を「各種財務情報が公表されていること、または監査済みの財務情報が入手可能なこと」へと変更。加えて、これまで対象外としていた医薬品カテゴリーも評価の対象とするなど、より広く日本のブランドを評価することを目的に、ランキングを更新した。

Best Japan Brands 2022(1-50位)
Best Japan Brands 2022(51-100位)

Best Japan Brands 2022概況

 コロナ禍が常態化する環境のなかで、Best Japan Brands 2022にランクインした全100ブランド個別の対前年成長率の平均は、+8.6%(昨-39%)。

 Mercariは、ミッションに掲げた「新たな価値を生み出す世界的なマーケットプレイスを創る」に沿って、越境販売をさらに推進、メルコイン、メルペイなどとのシナジー効果により同サービスを強化。中高年層における利用意向の高まりに対応し「60歳からのメルカリセット」を配布するなど、ターゲットを拡大している。また、米フリマアプリ事業でウーバーと提携し、最短で同日内に完了させる「Mercari Local」を開始。新規事業の企画・開発・運営を行うグループ会社、「ソウゾウ」を設立し、ユーザーがメルカリ内にショップを構えられる「メルカリShops」の事業展開を開始するなど、徹底的に顧客のニーズに寄り添ったサービスを迅速に展開している。

Fujifilm(36位、前年比+34%)

 Fujifilmは、写真事業を通して培った先進・独自の高度な技術力を活用し「ヘルスケア」「マテリアルズ」「ビジネスイノベーション」「イメージング」の4事業セグメントに再編。2021年、グループ会社の富士ゼロックスは、富士フイルムビジネスイノベーションに社名を変更した。また、富士フイルムグループ グローバルブランディングキャンペーン「NEVER STOP 2021」「Accelerate your business success.」を展開し、グローバルで一貫したメッセージを発信。さらに、国内外の全従業員に、目指す姿の理解を促進するため、「FUJIFILM Corporate Movie」によるeラーニングを推進し、新しいFujifilmブランドの構築推進を加速させている。

Ajinomoto(37位、前年比+30%)

 Ajinomotoは、2017年の中期経営計画よりブランド価値の可視化に基づいた長期におよぶ継続的なブランドマネジメントを推進。事業を通じて社会課題を解決し、地域や社会とともに価値を創造することで経済価値を創出する「ASV(Ajinomoto Group Shared Value)」という概念を「企業価値向上サイクル」という仕組みに落とし込み、経営の強力なリーダーシップのもとで、「食と健康の課題解決で、人々のウエルネス向上を目指す」パーパスブランディングを推進している。ブランドの存在意義が顧客体験を通した評価にもつながり、業績も堅調に推移。その結果、Best Japan Brands 2016から6年間のブランド価値成長率86%増という成果につながっている。

WORKMAN(70位、前年比+29%)

 WORKMANは、“環境にもユーザーにもやさしい企業”を目指し、地球環境への負荷が少ない事業モデルと製品開発を強化。「ママ楽試着室」など、子育て中の女性に焦点を当てた製品やサービスを開発し、ソロキャンパーやバックパッカーと共同開発してアウトドア用品事業にも参入するなど、顧客層を拡大し、ブランドを進化させている。「残業」「期限」「売り上げ目標」「社内イベント」などをなくす「しない経営」を実践し、社員のストレスがない環境でWOWな商品を開発するなど、ES(従業員満足度)への画期的な取り組みを行い、コロナ禍においても、次々と独自の取り組みを展開し、ブランドの成長を加速させている。

Nitori(59位、前年比+29%)

 競合が苦戦するなか、Nitoriは34期連続の増収増益を達成。「ロマン」として「住まいの豊かさを世界の人々に提供する。」ことを掲げ、海外市場への進出を加速。21年2月に「フィロソフィー」として「コーディネートをみんなのものに。」を制定し、「住まいの豊かさ」の実現を目指している。島忠との経営統合、家電事業の拡大、ニトリグループ発の大人の女性向けアパレルブランド「N+」、寝具の「Nウォーム」「Nクール」など“製造物流IT小売業”としての強みをベースに、常に「顧客目線」で、次々に新しい挑戦を繰り広げ、ブランドを進化させている。