東急不動産、HARTi、丹青社、およびピクシーダストテクノロジーズ(以下、PxDT)は、NFT配布によるオンライン上のコミュニティ構築、およびDXによる空間の新たな体験価値創造の検証のため、2022年3月12日(土)から2022年4月3日(日)まで、東急プラザ渋谷3階・次世代型商業施設の実験店舗「111-ICHI ICHI ICHI-」にて実証実験を実施することを発表した。
新型コロナウイルス感染拡大により、消費者のEコマース利用の増加や来店機会が減少しており、実店舗ならではの体験価値の向上が求められている。商業施設の新しい体験価値創造に注力している東急不動産、NFT プラットフォーム「HARTi」を利用してもらいたいHARTi、空間づくりによる課題解決および空間利用者のさらなる体験価値向上を目指す丹青社・PxDTの思いが一致し、今回実証実験を行うこととなった。
実証実験(1):NFT配布によるオンライン上のコミュニティ構築による、新たな体験価値創造の検証
東急不動産およびHARTiは、NFT配布によるオンライン上のコミュニティ構築に取り組む。
ブロックチェーン技術のひとつであるNFTは、唯一無二の「世界にひとつだけのデータ」の価値を生み出せる代替不可能なトークンである。NFTはさまざまな領域で活用され始めているが、NFT技術を商業施設へ導入することで、施設側と消費者の新しい関係性を構築し、エンゲージメントを高める設計が可能と考えている。
同実証実験では、現在オンライン上で活性化している特定のNFT保有者のみが入会できる限定コミュニティに注目。商業施設を起点としたオンライン上のコミュニティを構築することにより、商業施設へのリピート来館の仕組みを形成することを検証する。
実証実験として行う、「浅瀬のおともだち -Friends in the Shallows- 展」では、東京藝術大学(絵画科日本画専攻)卒のアーティスト・中條亜耶氏、NFTクリエイター・Whiplus氏の作品である「浅瀬のおともだち -Friends in the Shallows-」を中心とした空間を形成。土曜日・日曜日限定で、同作品の事前購入権となる作品購入用ホワイトリストNFTを来場者へ先着1,111枚限定で配布し、その保有者のみが加入できるオンライン上のコミュニティを構築する。
コミュニティにおいては、同作品の事前購入権に加え、今後は東急プラザ渋谷で開催予定の限定イベントへの参加権などを配布。限定イベントを開催することで、オンライン上のコミュニティ入会の価値に加え、オフラインにおいても利用者の体験価値を高め、施設来館へのリピート率を高めることを目的としている。
また実施期間中は、来場者全員に「来場記念NFT」の配布を行う。タッチするだけでNFTが受領できるという新たな体験をしてもらうことにより、利用者の体験価値向上につなげる。
実証実験②:DXによる空間の新たな体験価値創造の検証
丹青社とPxDTは、丹青社の持つ空間づくりのノウハウとPxDTの持つデジタル技術を掛け合わせ、テクノロジーを活用した空間における提供価値の向上に取り組んでいる。丹青社がこれまで培ってきた空間づくりの知見やセンスから導き出してきたデザインにPxDTが提供する空間データプラットフォーム「KOTOWARI」を用いデータドリブンの手法を取り入れ、空間利用者の体験価値向上を目指す。立地や面積、展示内容が異なる場での実証実験を重ねることでデータを蓄積し、比較分析を繰り返すことにより、最適な空間提案につなげられるよう取り組みを続けていくとのこと。
来場者の属性や滞在時間といったデータを活用し、東急プラザ渋谷3階「111-ICHI ICHI ICHI-」区画の定量的な可視化を行うことが同実証実験の目的である。東急不動産は、同実証実験の結果をもって区画の価値を数値化し、将来的な店舗区画のメディア化に向けての取り組みを行うという。