アプリプラットフォーム「Yappli(ヤプリ)」を提供するヤプリは、2022年4月にスモールビジネスの成長をサポートする新プラン「Yappli Lite(ヤプリ ライト)」の提供を開始。それに際しメディア向けミートアップを実施した。
2013年に創業したヤプリは、「デジタルを簡単に、社会を便利に Mobile Tech for All」をミッションに掲げ、モバイルアプリを活用した業界のDX推進を行っている。
アプリの開発・運用・分析をノーコードで提供するアプリプラットフォーム「Yappli」の導入アプリ数は700アプリを超え、その累計ダウンロード数は1億を突破。アプリが活用されているのは店舗のスタンプカードやECだけでなく、近年は販売店支援や社内利用などBtoBの利用も増えている。
そんななかで新プラン「Yappli Lite」を提供するに至った背景を、同社の代表取締役CEO・庵原保文さんは次のように解説した。
「今までYappliは大手企業に利用されることが多かったですし、大手法人向けのサービスで年率40%弱と十分な成長を続けています。ただミッションで『Mobile Tech for All』と掲げているように、すべての人々にアプリを提供したいという思いがある。日本に100万社あると言われている中小企業やスタートアップにもモバイルアプリを提供し、サポートしていきたいと思っています。
またユーザーの裾野を広げるためだけでなく、Yappli Liteを海外展開の足がかりにもしていきたい。海外展開は来年くらいにチャレンジしていけたらと思っています」
続いて、事業責任者をつとめる小野明彦さんが登場。新サービス「Yappli Lite」の詳細を紹介。特徴として次の4つを挙げた。
- ヤプリのノウハウを詰め込んでいる:アプリのプロがテンプレートを開発し、シンプルに必要なものだけを揃えている。
- ノーコードで作成が簡単に:Yappliの最大の特徴でもあるノーコードはそのままに、ドラッグ・アンド・ドロップで操作することが可能。
- アプリ運営に必要な機能をひとまとめ:Yappliにはさまざまな機能があるが、Yappli Liteには、クーポン配布や地図機能、ウェブサイトの埋め込みといったよく利用される機能だけを厳選している。
- 公開までをサポート:アプリを作成したあとの申請もヤプリが支援。ユーザーは専門の知識不要でアプリの作成をスタートすることができる。
最後に、Yappli Liteプランを活用している株式会社eightのCEO・三浦有人さんとのトークセッションを実施。eightはさまざまな分野で活躍している著名人をアイテムセレクターに迎え、彼らが本当に良いと思ったもののみを販売するキュレーションストア「HATCH」を運営している。
――アプリ導入のきっかけについて教えてください。
HATCHのユーザーの特徴はリピート率が非常に高いことです。アプリのプッシュ通知は、お客さまのコミュニケーションとして魅力的でしたが、導入時のコスト面と運用面におけるハードルが高いと感じていました。ですがYappli Liteはコストも安価ですし、ノーコードのため直感的にサクサクと操作することもできる。アプリ導入は来年以降かと思っていましたが、このふたつのハードルがクリアになったので、説明を受けてから1週間で導入を決めました。
――アプリのデザインを考えるときに工夫した点はありますか?
ウェブブラウザのトップにレコメンドゾーンがあるのですが、そこに掲載している製品の売れ行きが良かったため、アプリでは思い切ってトップにレコメンドのみを表示しています。
――アプリを運用してみた感想について教えてください。
本格的にアプリの運用を開始したのが5月に入ってからですが、想像していた以上にダウンロードされていますし、プッシュ通知を許可してくださっているユーザーさんも多いです。すでに全体の売上の20%がアプリ経由の購入になっていますね。新規のアプリダウンロードで500円クーポンをプレゼントするキャンペーンを行っているのですが、アプリで購入している人の30%はクーポンを使っていません。クーポンとは関係なしに、アプリが使いやすいから購入されているのではないでしょうか。まだリリースしてから日が浅いですが、導入して良かったと感じています。
――これからアプリを活用し、どのような未来をつくっていきたいですか?
今後はアプリ限定のコンテンツ配信も考えています。HATCHに参加してもらっているミュージシャンにアプリ限定の音楽をつくってもらって配信したり、セレクターの方が製品を紹介する動画コンテンツなど、HATCHのアプリでしか見れないコンテンツを配信することで、HATCHのファンを増やしていきたいです。またYappli Liteの良いところは、いつでもUIを簡単に変えられる点。変更してみて成果があまり良くなければ改善し、上手くいったことはそのまま続ければ良いと思うので、Yappli Liteの機能をフル活用していければと思っています。