TBSラジオとバスキュール、街歩きとラジオを掛け合わせた体験型音声サービス「Radiho」の共同開発PJ始動

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2023/12/15 07:00

 TBSラジオとバスキュールは、街歩きとラジオを掛け合わせた体験型音声サービス「Radiho(ラジホ)」の共同開発プロジェクト始動を発表した。

 Radihoは、スマートフォンのGPS機能を活用して、ユーザーが歩いている場所に応じたトークを提供する、体験型音声サービス。ラジオパーソナリティが街を歩きながら収録した音声を、同じ場所を歩きながら聞くことで、まるでパーソナリティと一緒に街歩きをしているような特別な体験を提供する。

 2024年中の一般公開を目指し、まずはTBSラジオの本社がある東京・赤坂から実証実験をスタート。TBSラジオの人気番組との連携をはじめ、将来的には、日本全国の地域の魅力を発信するサービスとなることを目指している。

Radihoの特徴

いつもの景色の見え方が変わる音声体験

TBSラジオはこれまで 、音声コンテンツを通じて、リスナーに新たな気づきや発見を提供してきた。Radihoでは、「歩く」というフィジカルな体験を組み込むことで、見えてくるものや感じられるものをさらに多彩にすることを目指す。

位置情報に合わせたトークが自動再生されることで、歩きながら見ている景色に情報が加わり、普段何気なく歩いている街の見え方が変わる、「歩いて聞けば見えてくる。」体験を生み出す。

共感を生み出す、ラジオらしい”距離の近さ”のある会話

Radihoでは、通常の「街の音声ガイド」とは異なり、パーソナリティの主観的な視点に基づく知識や体験が、会話形式で紹介される。こうしたラジオらしい音声コンテンツは、パーソナリティとの距離の近さが感じられ、体験者はまるで友達からその街を紹介されているような感覚を得ることが可能に。これによって、体験者の街への共感を高め、つい誰かに話したくなるような体験を創出する。

リスナー参加型のコンテンツ制作

ラジオにおけるハガキやメール、SNSのように、Radihoの展開においても、リスナーがさまざまなかたちでコンテンツに参加できるような仕掛けを盛り込む。リスナーから街に関する情報を集め、リスナーと一緒に新しい生活文化を作り出し、コミュニティを盛り上げていく、ラジオらしいチャレンジを行っていく。

最新の音声AR技術によって、シームレスで臨場感のある体験を提供

 「音声AR」は、スマホで動作する専用アプリとバックエンドシステムを通じて、ユーザーの位置情報や状況に応じて音声コンテンツを提供するシステム。バスキュールはこれまで、ドバイ国際万博の日本館での展開をはじめ、音声AR技術を用いたさまざまな体験開発に取り組んできたRadihoでは、GPSの位置測位の精度を補完する独自のプログラムを開発することで、より高精度な音声AR体験を実現している。

 最新の音声AR技術を用いることで、これまで美術館や観光地などで提供されていた音声ガイドアプリのような特定の場所だけでなく、歩いている間も周囲の景色に合わせたトークが自動的に再生される。これにより、ユーザーはまるでパーソナリティと一緒に歩いているような、シームレスかつ臨場感のある体験を楽しむことができる。

 今後、音声ARをベースに、様々なデータやAIとの連携に取り組むことで、Radihoの体験をより豊かで革新的なものへとアップデートしていく予定。

今後実装を検討している機能の一例

  • 曜日や時間帯、天候などの体験時の状況に応じてトークの内容を出し分けることで、より現実世界との連動性が感じられるような体験を提供
  • 道路の混雑状況を踏まえたルートを提供することで、人流の分散や地域の回遊性を向上
  • 自動翻訳AIを用いて、増加するインバウンド観光客にもRadihoの体験を提供
  • 対話型AIを用いて、ユーザーの音声入力に対して自然な会話やリアクションを生成

Radihoが目指すこと

地域の多様な魅力の発信、地域経済の活性化

Radihoを通して、地域の多様な魅力を発信することはもちろん、ラジオが有するファンコミュニティを活用した新たな人の流れを生み出し、地域経済の活性化・地方創生につなげる。観光ガイドに載っているような「王道の観光ルート」だけではない、多様な道やルートを案内することで、地域の回遊性を高めるとともに、オーバーツーリズムや渋滞といった社会課題の解決にも貢献する。

豊かな生活文化とウェルビーイングの実現

Radihoが街の多様な魅力やエピソードが発信・共有される場として盛り上がることで、地域住民のシビックプライドの醸成につなげる。また、そうしてできあがった音声コンテンツを「歩く」という身体的な行為と合わせて体験することで、健康増進、地域の人々の出会い・交流といった現象も生み出し、心身のウェルビーイングに貢献する。

新たな社会価値を生み出す共創プロジェクトに

Radihoは、地域創生やウェルビーイングといった社会課題の解決や、テクノロジーを活用した新たな価値創造に取り組んでいる企業・団体・クリエイターが参画できる共創プロジェクトとしての展開を見据えている。共通のビジョンを持つ多様なプレイヤーとともにRadihoを日本中に広げていくことで、社会的インパクトの創出を目指す。なお、企業のプロモーション活動やサービス・イベント開発、地域の観光PRやコミュニティ形成などを目的にRadihoを活用することも可能。

TBSラジオとバスキュールの共創プロジェクト

 音声コンテンツの制作能力と強力なファンコミュニティを有し、新たなデジタルサービス開発に力を入れるTBSラジオと、ドバイ万博の日本館や東京の虎ノ門エリアをはじめ、XR技術を活用した新しい都市体験の開発に取り組むプロジェクトデザインスタジオバスキュール。この2社の共創プロジェクトとしてRadihoはスタートする。