インターブランドジャパンが「Best Japan Brands 2024」発表 トヨタが16年連続の1位、タケダが初ランクイン

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2024/02/22 07:00

 ブランディング会社であるインターブランドジャパンは、ブランドの持つ価値を金額換算する独自のブランド価値評価(Brand ValuationTM)の手法を用い、日本発のブランドを対象としたブランド価値ランキング「Best Japan Brands 2024」を発表した。

 
今年で16回目の発表となる同ランキングは、同社が2000年より毎年発表するグローバルのブランド価値ランキングBest Global Brands と共通の評価方法を用いており、グローバルのリーディングブランドと日本ブランドの価値を同じモノサシで比較することで、ビジネスの資産としてのブランド価値を世界基準で考察する。ブランドが顧客に対して提供する価値だけではなく、現在そして未来の社会に対する役割や責任に関する活動の評価として、環境・社会・ガバナンス(ESG)データを導⼊し分析している。

Best Japan Brands 2024概況

 今回、同ランキングにランクインした全100ブランド個別の対前年成長率の平均は+4.8%(昨年は+6.0%の成長)、全100ブランドのブランド価値総額も2,916億ドル(前年比+6.7%、昨年は同+7.7%)となり、ブランドの成長は鈍化。この全体傾向は、2023年10月に発表されたBest Global Brands 2023と同様となっている。

 
今回、ブランド価値を大きく伸長させたブランドの共通点を分析すると、「ブランド強度分析」の10要素のうち、Agility(俊敏力:組織としてビジネス機会や課題に対応し、期待を超え続けるため迅速に動くことができるか)、Coherence(整合性:あらゆる顧客接点でのブランド体験において、一貫性のあるブランドストーリーや世界観が感じられるか)、Alignment(結束力:組織全体が同じ方向に向かい、その実現に全力を尽くし、事業全体を通じてそれを実行する仕組みを備えているか)が高い傾向が確認されている。外部環境への迅速・柔軟な対応の重要性は引き続き変わらないが、さらにパーパスやブランドの目指す姿を定義するだけではなく、企業文化や事業活動に落とし込み、体現につなげていることが、ブランド成長に寄与しているとみられる。

 また、サステナビリティ関連施策の実践度が高いだけでなく、社会課題解決をビジネスで経済価値化できている点も、ブランド成長の鍵となっている。

Top 5 Growing Brands(前年比ブランド価値成長率 Top 5)

UNIQLO(4位、前年比+23%)

UNIQLOは、LifeWear(究極の普段着)のコンセプトのもと、「服を変え、常識を変え、世界を変えていく」という企業理念で、世界中の人々に良い服を着る喜び、幸せ、満足を提供している。低価格でシンプルなデザインだからこそ、若年層から高齢者まで、LifeWearとして日常の生活に定着したブランドとなっている。

「RE.UNIQLO(リ・ユニクロ)」プロジェクトでは、20年前から服の回収を始め、支援衣料としての「リユース」や燃料への「リサイクル」をおこなってきたが、最近では、修繕する「リペア」や「リメイク」から、1点ものの古着として再販する「リセール」までも展開しており、サステナビリティを着実に事業に組み込み、ブランドへの信頼感を向上させている。

また、引退後の一流スポーツ選手との継続契約や、「THE TOKYO TOILET」プロジェクトなど、ブランドの理念に基づく新たな社会貢献の姿も発信している。

Mercari(91位、前年比+22%)


Mercariは、創業10年の節目である2023年に新たなグループミッション「あらゆる価値を循環させ、あらゆる人の可能性を広げる」を掲げた。物理的なモノやお金に限らずあらゆる価値を循環させることで、誰もがやりたいことを実現し、人や社会に貢献するための選択肢を増やし、テクノロジーの力で世界中の人々をつなぎ、あらゆる人の可能性が発揮される世界の実現を目指している。そのためAIをいち早く導入し、カスタマーサービスセンターから消費者のニーズを迅速に吸い上げ、新しい商品やサービスを創出、商品検索機能も増強している。

「循環型金融」の促進にも注力し、2022年11月には、Mercari子会社のメルペイが、Mercariの利用実績などで限度額が決まり、アプリで利用と管理が完結するクレジットカード「メルカード」の提供を開始。

また2023年3月にはMercari上でビットコイン取引サービスを開始。グループミッションに基づく活動によりブランドへの信頼や愛着を強化している。

Fujitsu(34位、前年比+19%)

Fujitsuはパーパスの実現に向け、2023年5月に3つの貢献分野(マテリアリティ)とともに「デジタルサービスによってネットポジティブを実現するテクノロジーカンパニーになる」というビジョンを設定、2030年を見据えた価値創造の考え方を示した。パーパスを体現し成長をドライブするFujitsu Uvanceを軸に、クロスインダストリーで社会課題の解決に貢献するとともに、顧客のサステナビリティトランスフォーメーションの実現にコミットしている。

それらを加速するため、社内では組織変革や人材育成も積極的におこない、また社外に対してはサステナビリティに関する独自調査レポートの公開や、ダボス会議への参加、他社との協業などを通じて、社会課題の解決に取り組む姿勢を示してきた。

マイナカード証明書交付トラブルによる品質管理問題が発生し、同社が重視する「信頼」に対する厳しい評価を受けたが真摯に対応しており、こうしたパーパスを軸にした企業・事業両輪での社会価値創出への取り組みが経済価値における成果にもつながっているという。

Suntory(12位、前年比+18%)

Suntoryは、2023年2月にグループ企業理念を整理・刷新し、創業以来大切にしてきたことを「パーパス」と「バリュー」としてシンプルに表現し、経営トップ自らその内容と意志を表明。想定を越える社会や人々の変化に対して、新たな経営理念を軸としながらも、機動的に世の中の変化に対応していくことを志向している。特に、長年取り組んできた地球環境や社会との共生について、現代の人々が抱える課題の変化を見つめながら、世界規模で全社を挙げて取り組んでいる。

さらには、変化に対応するのみならず、自らが変化を生み出すことで、世界をリードするブランドになるべく、コーポレートブランディングの取り組みをグローバルに進化させている。

Ajinomoto(33位、前年比+17%)

Ajinomotoは、事業を通じて社会価値と経済価値を共創することを目的とした基本方針「ASV(Ajinomoto Group Creating Shared Value)」を軸とした経営を推進している。2023年4月に、新たなパーパス「アミノサイエンスで人・社会・地球のWell-beingに貢献する」を発表し、経営層から全世界の従業員まで全社一体でパーパスブランディングを推進。これはマルチステークホルダーの期待に応えることを目的としている。

その実践活動のひとつとして、広告部と生活者解析・事業創造部、オウンドメディアの3部門を統合した「マーケティングデザインセンター」を新設。生活者が購入の瞬間からAjinomotoブランドに思いをはせるようなつながりを強化し、体験価値を共創する組織への変革を志向するイノベーションにも取り組んでいる。


New Entrants(初ランクイン)


Takeda(100位)

Takedaは、存在意義として「世界中の人々の健康と、輝かしい未来に貢献するために存在します。」と定義。コミュニケーションでは「世界に尽くせ、タケダ。革新的に。誠実に。」として「人類が抱えるさまざまな難題に、革新的かつ多様な方法で挑むタケダの企業姿勢」を、ウェブサイトにおいて個々の社員の活動や想いを介して、わかりやすく伝えている。また、Takedaの企業理念を具現化した空間「The Hirameki~インスピレーションのひろば~」により、その企業文化を体験し、理解の促進を図っている。


Best Japan Brands 2024 (1-50位)

Best Japan Brands 2024 (51-100位)