丸井グループは今回、DX推進に向けた新たなチャレンジとして、デジタル顧客接点におけるアジャイルなプロダクト開発の推進・波及を目的に新会社「marui unite(マルイユナイト)」を設立した。
新会社での取り組み
今回新たに設立した「marui unite」は、「『好き』とデジタルの力で新しい体験を共創する」というミッションを掲げ、丸井グループにおけるプロダクト開発のテック専門組織として内製化することで、丸井グループ全体のDXによる変革を後押ししていく。
これまで、ユーザーとの接点はリアル(店舗)が中心であったが、丸井グループが共創を通じたビジネスに取り組むうえで、今後はユーザーと持続的なつながりが持てるアプリやウェブサイトといったデジタルの接点が重要であると考えている。そして、このデジタルの接点においてはUXが非常に重要。「marui unite」は、このデジタル顧客接点(プロダクトサイド)を開発する専門組織として事業会社(ビジネスサイド)と一体となってアジャイルなプロダクト開発をすることで新たな体験価値の創出をスピード感をもって実現していく。そして、その第一歩として、フィンテックの顧客接点である「エポスアプリ」や会員サイト「エポスネット」に着手し、今後は段階的に小売やグループ全体のプロダクトへ範囲を拡げ、新しいビジネスについても模索していく予定。
あわせて、この変革を加速させるために「marui unite」では、エンジニアリング領域などで活躍するデジタル人材の採用を積極的に進めていく。報酬や評価といった人事制度も丸井グループとは別枠のものを用意し、デジタル人材の人の働きやすさと働きがいの両立を図る。
ネーミング・ロゴデザインに込めた意味
「unite」という言葉には、目的のために、異なるものが、互いの独自性を保ったまま結束するという意味がある。そこから、同社は、個人、組織、社会、ビジネスや概念といったさまざまな切り口において、個々の多様性を活かしながら「unite 」していくことを目指すという意味をネーミングに込めた。またロゴデザインでは、1人ひとりの「好き」の感情がデジタルと組み合わさり、異なる属性や価値観の壁を越えて多様なつながりを生む様を、OIOI(丸井のロゴ)とunite の頭文字(U)と磁石のモチーフを用いて表現している。
新会社設立の背景
これまで丸井グループでは、顧客をはじめ、株主・投資家、地域・社会の人々、取引先、社員、そしてこれからの未来を担う将来世代を含めた6ステークホルダーとの共創を実践することでさまざまな革新を進めてきた。ステークホルダーとの共創を通じて、さらなる進化を実現していくためには、デジタルが持つレバレッジやスピードの力を活かすことが必要。そのため丸井グループは外部の知見を取り入れながらDX 推進に取り組んできた。
これまでの取り組みを通じて、システムの企画・調査や要件定義、開発といった一連のプロセスが完全な役割分担構造になっており、互いに密な連携が取れていないなどの課題が顕在化し、部門横断で連携の取りにくい縦割型の意思決定プロセスや組織構造の変革の必要性がわかってきた。これらの課題を解消し、アジャイル開発の推進と波及を進めるため、新たに「marui unite」を設立することに至った。