今こそビビらずに挑戦を クリエイターとして覚悟を背負い、GOがFUNDを立ち上げた意味

今こそビビらずに挑戦を クリエイターとして覚悟を背負い、GOがFUNDを立ち上げた意味
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2020/05/25 08:00

 GOがファンドを始める――。4月23日に発表されたその情報は、広告業界を中心に多くの人々の注目を集めた。国会議事堂前駅に掲出されたケンドリック・ラマーの「黒塗り広告」、多数の広告賞を受賞した「WEARABLE ONE OK ROCK」、2019年を代表する広告とまで言われた「朝日新聞社 × 左ききのエレンPowered by JINS」などのキャンペーンを展開しながら、クリエイティブの可能性を切り開いてきたThe Breakthrough Company GO(以下、GO)。そんな彼らが、スタートアップ投資ファンド「 GO FUND, LLP(通称:The Breakthrough Partners GO FUND、以下:GO FUND)」を設立し、ベンチャーキャピタル事業を開始することを発表したのだ。いったいGOは、GO FUNDを通じてなにを成し遂げようとしているのか。GO FUNDの代表パートナーを務める小池藍さんと三浦崇宏さんに話を聞いた。

クリエイターが支える成長

 今回発表されたGO FUNDの構想は、実は1年以上前から計画されていた。2019年の年頭所感として三浦さんが書いたブログには、すでにファンドの設立が宣言されている。

「本当は、2019年内にこのファンドを設立しようと考えており、金融関係者を回りながら『ベンチャーキャピタル(以下、VC)をやりたい』と話をしていたんです。彼らの反応はとてもよかったのですが、いざ出資をしてもらう局面になるとなかなかうまくいかなかった。というのも、金融業界の『作法』のようなものがよくわかっていなかったんですよね。

しかし、2019年末に、投資の世界で活躍してきた小池が仲間に加わると、事態は急速に変わった。順調に出資者が増え、今回のローンチを迎えることができました」(三浦さん)

 GO FUNDをつくるにあたってGOに参画した小池さんは、博報堂や投資会社のアドバンテッジパートナーズでなどでの勤務を経て、あすかホールディングスでインドや東南アジアのスタートアップに対しての投資を行ってきた人物。GO FUNDでは、彼女が投資の責任者を務め、三浦さんを中心としたGOのチームが投資先に対するクリエイティブやPR・ブランディングといったサポートを実施していく。

「アメリカや中国など、スタートアップが盛んな国のVCは、単純に投資をするだけでなく、プラスアルファの価値を提供する機能提供型に変わりつつあります。きっと、この流れは日本にも来るだろうと考えていたタイミングで、GOが設立するファンドへの参加を打診され、ジョインすることを決めました」(小池さん)

 では、GO FUNDが提供する“機能”とはどのようなものだろうか。GOでは、資金面のサポートだけでなく、GOのクリエイターたちによる、PR・クリエイティブに特化したハンズオン支援を実施。それ以外にも、GOとパートナー関係にある企業・メディアとの業務提携を提案、ブランディングやマーケティング・PRに関するキャンプへの招待といったコミットを通じて、スタートアップの成長を促していく。

 小池さんによれば、これまで多くのスタートアップは高い志を持つ一方、社会に届く適切な表現やマーケティング、ブランディングにまで意識が回らないなど、コミュニケーションの部分で大きなロスを抱えていたという。

「GO FUNDでは、国内でもトップクラスの実績を持つGOのクリエイターたちが社会とのコミュニケーションをサポートし、言葉やビジュアルを作っていきます。スタートアップ企業にそのような武器を与えることができれば、その成長を加速させていくことができると考えています」(小池さん)

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