「スマレジ・タイムカード」開発のこだわりとは デザインも担う“フロントエンドエンジニア”に聞く

「スマレジ・タイムカード」開発のこだわりとは デザインも担う“フロントエンドエンジニア”に聞く
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2020/08/05 08:00

 クラウドPOSレジシステム「スマレジ」などの開発・運営を行うスマレジ。2020年5月現在、スマレジの登録店舗数は84,000を超える。それ以外にもいくつかサービスを展開しているなか、それに迫る勢いで導入企業を増やしているのが勤怠管理サービス「スマレジ・タイムカード」だ。今回話を伺った今西正和さんは、“フロントエンドエンジニア”としてスマレジ・タイムカードの開発に関わっているが、役割はその肩書だけにとどまらない。前職で培ったデザインの知識もフルに活かし、デザイナーとエンジニアの橋渡し役をも担っている。そんなスマレジ・タイムカードは日々どのように改善がなされているのか。そして今西さんが、B向けのサービスだからこそ意識していることとは。

スマレジ入社のきっかけは「チームで行う開発を経験したい」

――まずは、今西さんのご経歴から教えていただけますか?

新卒で入社したのは、紙を中心に扱うデザイン会社で、最初はデザインをメインで行っていました。当時その会社には私しかウェブの担当者がいなかったため、ブライダルフェアの予約システムを開発することになり、見よう見まねでシステムの勉強を始めたことがきっかけで、プログラミングも担当するようになりました。その会社に5年ほど勤務したのち、2016年にスマレジに入社しました。

スマレジに知人がいたということもあるのですが、前職ではC向けのサービスやプロダクトに関わることが多かったため、B向けのような、少しかっちりとした案件に関わりたかったというのもジョインすることを決めたひとつの理由です。

また当時はひとりで開発を行っていたので、明確な進めかたの指針もなく、自分のルールで動いていました。チームで開発を行うなら最低限のルールは必要ですよね。そういったものに則って進めていくサービス開発も経験したいと思い、スマレジへ入社しました。

現在はおもに、勤怠管理サービス「スマレジ・タイムカード」の開発に携わっています。中でも私が行っているのは、プログラムにデザインを当てこんでいくという作業。位置づけとしては、デザインと開発それぞれの対応できる範囲を明確にし、それをデザイナーとエンジニアに伝えるというような橋渡しの仕事です。

最初にプロジェクトが始まるときにはデザイナーとして仕事をし、ある程度デザインが固まってきたら構築に加わるといった動きかたをしています。

開発を進めるときは最初に“みんなで”打ち合わせを

――勤怠管理サービス、スマレジ・タイムカードにはどのような特徴があるのでしょうか。

スマレジがプラグラムという社名だったころに、お客さまからの要望で出退勤管理のシステムを開発し、それを商品化したことが始まりです。スマレジ・タイムカードは、勤怠の情報を記録・管理するだけでなく、それらを利用した給与計算、休暇管理、シフト管理、日報、プロジェクトの管理などを一括で行うことができるサービスです。

なかでも特徴的なのは、笑った顔を判別し、笑うと写真撮影をして打刻ができる「笑顔認証」の機能です。社内でもスマレジ・タイムカードを利用しているのですが、出勤した際に打刻のためにiPadで写真を撮ると、眠そうな顔ばかりがシステム上に記録されていったんですよね(笑)。そこで笑顔認証を取り入れたところ、笑顔で写るようになり、とても印象が良くなった。この機能は必ずしも使わなければいけないものではないのですが、とくに接客業である店舗さんを中心に、多くの企業にご好評いただいています。

――スマレジ・タイムカードはどのような体制で開発をしているのですか?

基本的に関わっているのは、私をふくめデザイナー2名と、エンジニアが4名ほどです。デザイナーはプロダクトに専任でつく形ではなく、案件や機能ごとに担当が変わっていくのですが、スマレジのプロダクト全体でいえば、5名のデザイナーが流動的に関わっています。

実際に開発を進めるときには、お客さまや内部から届いたサービスに関する要望をもとに、デザイナーとエンジニア、カスタマーサクセスなどすべての部署の誰かが参加する形で、最初に簡単な打ち合わせを行います。「この部分についてこういう要望があるなら、ほかのこのページにも改善してほしいという意見届いていない?」というような確認をしながら、どのように進めていくかを決めていきます。

その場でまとまった意見や案をもとにデザイナーがタタキを作成し、それをまたさまざまな職種のメンバーが確認して修正します。ある程度ワイヤーが固まってきた状態になるとエンジニアが開発をスタートし、それと並行してデザイナーがビジュアルデザインを施すという流れで進めています。

ですが、この体制で開発を始めたのは、実はとても最近です。それまではデザイナーが大枠を決めて、各方面に問題ないかどうか確認をとりながら進行していたのですが、出来あがりが想像と違うということが頻繁に起こっていた。そこで、最初に打ち合わせをしてから始める方法へと変更しました。これにより、デザインの手戻りの時間が減ったのはもちろんのこと、各部署から要望が出しやすくなり、機能改善のきっかけが増えたように感じています。

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