実例とともに解説 デザイン原則作成における4つのステップと4つのポイントとは

実例とともに解説 デザイン原則作成における4つのステップと4つのポイントとは
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 一人ひとりの学習を最適化するAI先生「atama+(アタマプラス)」を提供するatama plusは、2018年末ごろからデザインシステムの構築に取り組みました。そのプロジェクトに携わったUX/UIデザイナーの税所亮(さいしょりょう)さんが、実体験を交えながらデザインシステムのイロハを解説する本連載。第2回は、「デザイン原則の作成とそのポイント」についてです。

 こんにちは、atama plusというスタートアップでUX/UIデザイナーをしている税所です。

 デザインシステムの取り組みに興味がある、取り組みたいけれどどこから手を付けたらいいかわからない、そもそもデザインシステムとはなにかがあまりピンと来ない――。そんな方に向け、私の実体験をもとにお伝えしていきます。第2回では、デザイン原則の作成とそのポイントをテーマにみていきましょう。

デザイン原則とはなにか

 前回、こんなふうにデザイン原則について説明しました。

プロダクトをつくるうえでの土台となる大原則です。プロダクトの目的を達成するため、どんなデザインが良いデザインなのかを明文化しています。プロダクトの目的を達成するための基本思想となり、当時デザインをする人が常に意識できるものである必要があります。

 現在atama plusでもデザイン原則はプロダクトを設計していくうえでの基本思想になっています。記事の最後で全体像をお伝えしますが、ここではatama plusのデザイン原則のひとつを例にして、プロダクトの開発や設計でどのように活用されているのかをみてみましょう。

 atama plusは、タブレットで学習できるAI教材を提供しています。学習する教材と聞くと、飽きないようににぎやかな画面にしたほうがよいのではないか、と思うかもしれません。ですが、真に集中でき時間を忘れる状態は、学びそのものを楽しみ、ひたむきにそれに取り組んでいる状態です。

 この原則のもと、常に学びそのものへの集中を阻害しないかという観点を持ちプロダクトの設計を考えています。このようにデザイン原則があることで、プロダクトが目指したい姿、プロダクトが達成したい目的をぶらさずに設計・改善を進めていくことができます。

 プロダクトの目的へ到達するための方法はさまざまなものがありますが、どう向かうのかが定まっていないと、プロダクトは芯がなくグニャグニャとし、思想のないものになってしまいます。そうならないためにもデザイン原則は、どうやって目的に向かうのかを「原則」という粒度感で揃え、共通認識をもてるものにしています。

 よいデザイン原則は、プロダクトに関わるメンバーが共通理解をもち、一貫性をもって向かうためのガイド、意思決定の判断基準やそのための議論の土台となるでしょう。

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