200社超が導入するチャットボット「BOTCHAN」に思想を吹き込む、新卒2年目のUXデザイナーの今

200社超が導入するチャットボット「BOTCHAN」に思想を吹き込む、新卒2年目のUXデザイナーの今
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2020/10/05 08:00

 2011年に創業したwevnal。それを支える主力事業のひとつとなっているのが、チャットボットプラットフォーム「BOTCHAN」だ。販売開始から約2年半を経た現在、導入企業数は200社を超える。LINEやFacebookメッセンジャーと連携したり、ウェブサイトに直接設置したりすることが可能。ユーザーの行動や状況を「見える化」し、顧客のニーズに応じたマーケティングの実現を目指している。今回話を聞いたのは、BOTCHANのUXデザイナー・谷口友梨さん。なぜwevnalへの入社を決めたのか。また新卒2年目ながらプロダクトの全体設計に関わることになった経緯とは。

大学院を中退し、入社を決めた理由は「スピード感」

――まずは、谷口さんのご経歴から教えていただけますか?

大学では生物学を専攻していました。その学部は、同級生の大半が大学院へ進学をしていたので、私自身も当然大学院に進むのだろうと思っており、とくに就職活動もしていませんでした。大学4年生の夏ごろに入試があり無事合格したのですが、同じ年の冬くらいから、このまま研究を続けていていいのだろうかと思うようになったんです。実際に大学院に進学したあともその思いが拭いきれなかったので、就活をしてみようと思い、転職サイトに登録しました。

登録したサイトでは、IT系の企業を多く見ていました。大学のとき、アルバイトでサイトのコーディングを少し経験していて、自分がその業界で働くイメージを持ちやすかったのが、理由のひとつです。もともと小さい頃からものづくりが好きで、自分が作りあげたものを届けていくことに興味があるなとは思っていたんです。ただ、自分の興味に対する理解は、それくらい漠然としていて……。

そんななか、wevnalからスカウトメールをもらい、面談という形で選考を進めていったのですが、なにより驚いたのがそのスピード感です。最初の面接から2週間後には、もう内定が出ていました。入社したらこういったスピード感のなかで仕事ができるのではないかというイメージが湧き、魅力を感じたんです。あとはとにかく早く社会人になりたい一心で就職活動をしていた私に対して、柔軟に対応してもらったこともあり、大学院を中退し、wevnalに入社することを決めました。

――wevnalが開発・提供するオンライン接客プラットフォーム「BOTCHAN」の、特徴や強みについて教えてください。

BOTCHANには、フォーム入力を快適にすることを目指す会話型フォーム「BOTCHAN EFO」、決済までを画面遷移なく進め、離脱を軽減させるチャット決済フォーム「BOTCHAN PAYMENT」、エンゲージメントを高める会話型広告「BOTCHAN for LP」、チャットでユーザーのニーズをヒアリングして提案するチャットボット「BOTCHAN AI」といった4つのサービスがあります。

それらに共通するBOTCHANの特徴は、獲得型のチャットボットサービスであるという点です。

チャットボットというと、FAQやお客さまの質問に自動で対応するイメージをお持ちの方も多いと思います。ただ、BOTCHANはユーザーが会話型で名前や住所を入力していき、最後までスムーズに情報を入力できるので、CVRをアップさせることが可能です。また、顧客企業はLINEやFacebookメッセンジャーなどのSNSを用いて、ユーザーと会話形式で商品説明ができたり、ユーザーのエンゲージメントを高める診断コンテンツを配信したりすることができます。

――BOTCHANの開発・販売に関して、谷口さんはどのような役割を担っているのですか?

入社した当時はBOTCHAN AIに関わっていましたが、いまは4つのシリーズ全体をみています。私のミッションは、こんなイメージのコンセプトで進めたら良いのではないか、そのイメージであればこういう機能が必要なのではないかなど、プロダクト全体の思想や機能面のアップデートを進めていくことです。また、そういった思想や機能の実装を、開発部と連携しながら進めていく際のディレクションなども行っています。

具体的な業務内容は多岐にわたるのですが、私は今年の4月から、UXデザイナーという肩書を名乗っています。プロダクトをどのように使ってもらいたいか、ユーザーはどうやって使うのかなどの導線から設計していくことが私自身とても楽しいですし、見た目だけではない、構造的な部分からBOTCHANを組み立てていきたいと思ったからです。

いま私が所属しているチームでは、上長がプロダクトマネージャーの立ち位置で、私が細かい要件を立てることが多いですね。弊社のCTOとは開発要件の議論をすることもあります。ベトナムのハノイにはオフショアの拠点があるので、コーディングやプログラミングについては、そこに15名ほど所属しているエンジニアの方々に依頼をし、開発を進めています。

コミュニケーション面で心がけているのは、自分の中に前提としてあるものを明文化できているかということ。自分のやりたいことや相手にやってほしいことを、明確に伝えることを意識しています。ベトナムのメンバーとやりとりすることもあるのですが、日本語のコミュニケーターをはさむにせよ、彼らは日本語のネイティブではありません。言葉で齟齬が生まれないように、遠回りな表現を使わず、わかりやすい日本語を使うようにしています。

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