対話型のゲーム形式で手軽に入社体験を 新感覚採用マッチングサービス「入社体感DX BY識学グループ」とは

対話型のゲーム形式で手軽に入社体験を 新感覚採用マッチングサービス「入社体感DX BY識学グループ」とは
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2021/03/31 08:00

 編集部が注目のクリエイティブ関連サービスを紹介していく本コーナー。今回は、シキラボが開発・提供する「入社体感DX BY識学グループ」をピックアップ。同社の代表取締役社長・山本翔太郎さんにお答えいただきました。

――まずは御社の事業概要について教えてください。

シキラボは、人が事象を認識して行動に至るまでの思考の働き(=意識構造)を元にした、独自の理論「識学」を用いた組織コンサルティングを行う株式会社識学の関連子会社です。

弊社では「デジタル化プロジェクトをマネジメント力で成功に導く」をミッションとし、識学のマネジメントノウハウをベースに、SaaSに関する開発業務の受託やゲームの開発を行っています。携わってきたのは、組織を分析し、改善・成長し続けるためのクラウドサービス「識学クラウド」のSaaS開発やB-PROJECTのリズムゲーム開発、eラーニングシステム「ManaBun (マナブン)」の開発などです。

――2021年3月に提供を開始した、オンライン入社体験ができる新感覚採用マッチングサービス「入社体感DX BY識学グループ」にはどういった特徴があるのでしょうか。

スマートフォンで、いつでも誰でも無料でオンライン入社体験ができる、新感覚採用マッチングサービスです。ゲーム感覚で、楽しく気楽に仕事内容の理解を深めることが可能です。適正診断の要素もあり、求職者と企業の双方にマッチング度などの結果を知らせることでミスマッチを減らし、オンライン採用をアシストするツールです。

特徴1.スマホで気軽に入社体験ができる

新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、企業説明会やOB訪問、インターン、面接などをオンラインに切り替える企業が急増。そのため企業も求職者も情報発信の場や職場体験の場を失い、大きな機会損失になっています。本サービスは、スマホひとつで気軽に入社体験ができるのが強み。場所を選ばす、いつでも、誰でも、無料で手軽に体験することが可能です。

特徴2.企業説明動画との差別化

一般的な会社説明動画は、企業情報やサービス内容、先輩社員の声など、会社全体の概要を知ることができますが、逆に表面的な良い部分しか知らせることができないとも言えるでしょう。

また、動画を見る人は受け身の情報収集になりがちです。「自分ごと」として想像する意識が抜け落ちていると、入社後に「思い描いていた仕事内容と違う」というミスマッチが発生する恐れがあります。

一方、本サービスは対話型のゲーム形式を用いており、求職者に選択肢を提示しながら行動を選ばせる、いわば参加型の情報収集ツールです。そのため「自分だったらどう行動するか」を考えながら情報収集をしていくことになります。

サービス内では、平常時の業務に限らず、トラブル発生時の対応に関する体験も含めるなど実務に近い内容にすることで、動画やホームページでは説明しにくいリアルな仕事内容を伝えることが可能です。

特徴3.誰でも簡単に作成することが可能

現在は受託サービスですが、将来的には、企業の採用担当者などが自社の職務内容をゲーム化し、企業サイトに埋め込む形での普及を想定している。そのため、専門的な知識がない人でも扱える設計を目指しました。体験する側(求職者)にとっても発信する側(企業)にとっても手軽なツールになっています。

――本サービスの提供を開始した経緯について教えてください。

構想は1年ほど前からありました。代表の私は地方出身でインターンもしたことがなかったため、ITの仕事のイメージがぼんやりしたまま企業名だけを見て就職しました。ですが、入社後はイメージと少しズレている感覚があった。

その後、偶然の良い出会いの連続で今の天職とも感じている仕事に就くことができましたが、いろいろな働き方があることを事前に知っていたら、もっと早くいまの仕事にたどり着けたかもしれません。そんな、人生を変える良い出会いをたくさん生み出すきっかけになってほしいという思いが、本サービスの根底にあります。

そう考えたときに課題だと感じたのは、人材増加後の入社後のミスマッチからの離職が世の中に多いということです。コロナ禍となったいまとくに、気軽にインターンをすることも難しく、体感による学びが減っている。これでは、将来の選択肢を増やすための機会が減ってしまうと考えました。

これまで弊社では、副業やアルバイトで事前経験をしてもらってから入社、という形を用いることで、入社後のミスマッチを減らしてきましたが、この仕組みを大企業でももっと手軽に導入することができたら、世の中が良くなるのではないか。また、企業各社の採用サイトに、この体験ゲームが埋め込まれており、スマホで簡単に企業で働くことを体験できれば、入社前と後でのイメージのズレを解決できるのではないかと思い、開発に至りました。

――サービスの開発にあたり工夫した点や苦労した点はありますか?

心がけたのは、「簡単に作れて簡単にプレイできるを突き詰める」ということです。現状はイラストとシナリオがあれば、誰でも簡単に作ることができる仕組みとなっているのですが、ゆくゆくはクラウド化して公開できればと考えています。2022年には、エンジニア不要で、ブラウザだけで誰でもストーリーゲームを作れるプラットフォームにするための準備もできています。

また苦戦したのは、特殊なスキル不要で、ストーリーコンテンツを作成できる環境の構築です。著名なストーリーゲームシステムの開発に携わるフリーエンジニアの方に協力を仰ぎながら、仕組みを構築していきました。結果的には、若手のデザイナーひとりでゲームをひとつ開発することができました。

もう1点は、短い時間で、職場を体験したような感覚になれるシナリオの構成パターンの見極めです。これには、開発したものをプレーしてといった作業を繰り返すしか方法はありませんでしたが、何度も練り直し、型を作っていきました。

――これからどのようなサービスに成長させていきたいですか?

日本中の職業を、スマホで簡単に体験できるようにしたいと考えています。体験の中で、「働く」をイメージすることができれば、自身にあった良い仕事と出会うことができる。それができれば「働く」は楽しくなり、「働く」が楽しいと人生も楽しくなるはずです。

特別な知識なしに、ブラウザだけで直感的にストーリーゲームを発信できるようにするべく、作り手も増やしていきたいですし、プレーする際も、リンクを押すだけで1秒で起動でき、3分程度で終えられるような手軽さを実現したいです。