大切なのは「イメージの共有」 クライアントへの提案において意識すべきふたつの型とは

大切なのは「イメージの共有」 クライアントへの提案において意識すべきふたつの型とは
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 クライアントのあらゆる課題をさまざまな手法により解決していく総合デジタルソリューションカンパニー・D2C dotから、デジタルを中核とした4名のプロデューサー・チーム「組(くむ)」が生まれました。本連載では、「組」のプロデューサー陣が、仕事に取り組むうえでのポイントを紹介していきます。第3回は「提案」についてです。

 こんにちは。「組(くむ)」の安積(あさか)です。私はデジタルを専門とするプロデューサーとして、クライアントが抱えるマーケティング課題をデジタルの力で解決することを仕事としています。

 本連載では「オリエンテーションの心構え」、「企画の考えかた」とお伝えしてきましたが、3回目となる今回は、「提案の仕方」がテーマです。

 同じ企画でも、伝えかたひとつで大きく印象が変わるため、提案にも細心の注意を払う必要があります(せっかく考えた企画ですので、相手にも「いいね!」と思ってもらいたいですよね)。プレゼンテーションなど提案の場は、何も知らない相手の心を掴み、動かし、共感してもらうための場ですので、どうすれば相手の心を動かすことができるのか――。提案する際のポイントについて、考えていきます。

提案書はイメージを共有する手段

 おそらく多くの方が経験している提案書づくり。どんなことをどのように書けばよいのか悩むという方もいるのではないでしょうか。

 私も、A4の用紙1枚のみで伝わればどれほど楽なものかと思うこともしばしばあります。ですが、アイディアだけでなく、実現可能性やコストなど、提案企画を見る相手は多方面でその内容の良し悪しを判断する必要があるため、なかなか一枚では収まりません。

 では、提案書をつくるときになにを意識すべきか。

 それは、自分の中で思い描いている企画の全体像を、相手にも同じように受け取ってもらうこと、つまりイメージを共有することです。時々見かける例として、提案前のブレストで盛り上がり、提案する当の本人には鮮明にイメージはできているが、提案で上手く伝えられず、聞き手側がまったく違うものを想像していたというケースです。これでは意味がありません。初めて企画の内容を知る人は、自分たちが考えた内容や意図を掴むのは難しいと考えた方が良いでしょう。

 そこでまず、提案書を作る際に気をつけるべきポイントは「イメージ絵をいれること」です。もちろん、デザイナーにイメージカンプを作ってもらうことができればそれがベストですが、そうでない場合もあるかと思います。そんなときは雑多なイメージ画像の切り貼りでもいいので、頭の中を共有するための画像や図を入れることで、自分と相手の中でのずれを軽減することが大切です。

 イメージの共有の次は、相手の心を動かすための提案書の書きかたについてです。

提案書作成に役立つ「逆三角形型」と「物語型」とは

 提案書を作る時、企画の内容をより理解してもらうために、与件の整理やターゲットインサイトなど企画内容以外にも多くの情報を入れ込むのですが、ここからは「それらの情報をどのように整理すると良いのか」、具体的な提案における情報整理の“型”をふたつご紹介します。

逆三角形型

結論から伝える文章の書きかたを指します。結論から書くことで、聞き手に対してこれから話す内容を先に伝えることができるので、聞き手の構えを正すことが可能です。おもに新聞やビジネスメールなど、明確に伝えたいことを伝える際に有効な方法です

物語型

小説や映画のように、起承転結に沿って説明を書くことです。提案における与件は何か、インサイトは何か、インサイトから導き出される企画のポイントとはどこかなど、順を追って説明したのち、最後に企画の結論を話す方法です。逆三角形型と比較し要点は追いにくくなりますが、「どのような構成になるのだろう」と、聞き手の注意を引くことができます。

 このふたつの型は優劣があるものではありません。相手に応じて適切な型を選択するのが良いでしょう。

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