0→1のプロダクトづくりを行うスタートアップをサポート デザインサブスクサービス「beaverin」とは

0→1のプロダクトづくりを行うスタートアップをサポート デザインサブスクサービス「beaverin」とは
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2022/03/28 08:00

 編集部が注目のクリエイティブ関連サービスを紹介していく本コーナー。今回はgazが提供するデザインサブスクリプションサービス「Beaverin」をピックアップ。株式会社gazの竹崎岳斗さんにお答えいただきました。

――まずは御社の事業概要について教えてください。

株式会社gazは「想いをデザインで可視化する」をミッションにUI/UXの改善や新規サービス、サイトの立ち上げを行う福岡のデザインファームです。平均年齢25歳と若いメンバーを中心にチームを構成。ウェブサイトのリニューアルやモバイルアプリ・システムのUI/UXデザインを得意とし、2019年6月の創業から140社を超えるお客さまの課題解決をデザインでサポートしてきました。主サービスは、国産ノーコードツール「STUDIO」唯一のゴールドパートナーとしてウェブサイト制作の代行、そのほかに開発者および企業・サービス責任者向けUIデザインレビューやノーコードサービス開発、DXデザイン支援を行っています。

――伴走型定額デザインサービス「Beaverin」にはどういった特徴があるのでしょうか。

Beaverin(ビーバリン)は組織のデザイン力を最速で高めることができる準委任型のデザインサービスです。

UIデザインの専門スキルを持つデザインチームが、準委任型の業務委託契約でチームの一員として参画するため、最速で社内のデザイン力を高めることができます。また成果物ではなく人日ベースでの契約となるため、期待される成果物が変更になるなどした場合にも、プロダクトオーナーや開発チームとコミュニケーションをとりながら要件を定義し、質の高いデザインに落とし込みます。

実績については、ファッションレンタルサービス「collEco」、花屋と農家の売買プラットフォーム「CAVIN」など、0→1フェーズのプロダクトを中心に全国のクライアントとお取引させていただいています。

なかでも強みはふたつあると考えており、ひとつめはクライアントと伴走する点です。

0→1フェーズにおいて“ひとりめのデザイナー”を見つけることは難しいですが、beaverinでは即戦力としてデザイナーをアサインできるため、0→1フェーズのプロダクト開発と相性が良いです。そのため、構想段階からgazがデザインを支援し、その後資金調達を実施したスタートアップもいます。

また、gazのカルチャーのひとつに「素早く、優しく」という考えかたがあり、クライアントとのコミュニケーション速度や相手に寄り添う誠実な対応を大切にしています。

ふたつめは、さまざまなクリエイティブに対応していることです。toC、toB、表層、構造にそれぞれ強みを持ったメンバーが在籍しており、事業内容や開発フェーズに応じて適切なアサインが可能です。UI事業部以外にも、STUDIO(ノーコードデザインツール)事業部やCI事業部といった部署とも密に連携をとることができるため、仮説検証のためのLP制作やロゴ制作など幅広いクリエイティブを提供できます。

――Beaverinでは実際にどのような流れで進めているのですか?

まずは無料相談で、クライアントの事業や課題感を理解し、gazが提供できることや期待値のすり合わせを行います。そのあとは、クライアントに合わせた柔軟な動きかたでサポート。基本的には週1で定例MTGを実施します。成果物の確認や方針を共有するだけでなく、必要に応じて別途MTGを設けることも可能です。Slackなどを使ったチャットコミュニケーションも頻繁に行っており、プロダクト初期フェーズの仮説検証から、プロダクトの体験設計、ワイヤーフレームやビジュアルデザインまでデザイン領域を一気通貫で伴走しています。

――Beaverinを開発した経緯について教えてください。

gazは、「デザインで人生をアップデートする」というビジョンを掲げています。0→1のプロダクト開発では不確実性が非常に高く、成果物が決まってないことや期待されるアウトプットが途中で変わることが珍しくありません。gazでは、そうした不確実で曖昧なプロダクト開発に挑むチームを、デザインを通じて支援しています。成果物を納品して終わりではなく、不確実性や曖昧さを受け入れそこに寄り添うことで、0→1のプロダクト開発を成し遂げようとするチームの力になりたいと考え、本サービスを開発しました。

――Beaverinの開発にあたり工夫した点や、苦労した部分はありますか?

心がけたのは、デザインのプロとしてクライアントに伴走することです。

依頼されたことに取り組むだけでなく、やったほうが良いと思うことをデザイナー側から提案していきます。私たちは、デザインの成果物ではなくプロダクトの成功にコミットするためです。

その前提として大切だと考えているのが、クライアントの事業理解です。プロフェッショナルとしてデザインに軸足を置きつつも、開発チームとビジョンを共有し同じ理解度で伴走できるよう、事業を深く理解することを意識しています。

一方苦労したのは、UIデザイナーとして、ストレッチを求められることが多い点です。0→1のプロダクト開発は不確実性が高くデザインの幅も広いので、UIデザイナーとして幅広いスキルをもち、高品質なアウトプットをだすことが求められます。個人の努力はもちろんですが、ほかのメンバーに気軽に相談できる仕組みができていたり、ナレッジを共有する文化も根付いているため、困ったことがあればチームで一丸となって解決するようにしています。

――Beaverinや会社としての展望をお聞かせください。

メンバーが成長し、さらに力を発揮できるような土壌を整えるための投資を行っていきたいです。そのために、新しい体験価値を提供するプロダクトを増やしたいと考えています。gazは0→1フェーズのデザインを強みとしているため、Z世代向け・イノベーター向けのデザイン依頼も多くいただいています。そういったターゲットに向けた新しい体験価値を提供するプロダクトのデザインを、今後さらに伸ばしていけたらと思っています。

また、メンバーが自律的成長できる機会づくりにも積極的に取り組んでいきたいです。メンバーの成長にとって、デザイナー間のコミュニケーションやナレッジ共有などが非常に重要です。現状の成長環境を改善し、さらに活発化できるよう、取り組んでいきたいと考えています。