コロナ禍を経た「UUUM2.0」の新たな戦略
――まずはご経歴と、現在の担当領域を教えてください。
キャリアの最初は制作会社で、エンジニアとして映像や音響まわりを担っていましたが、コンテンツ制作に関わりたいと思い広告業界に転職。ちょうどインターネットメディアが台頭してきたタイミングで、テレビCMとウェブのメディアミックス施策など、デジタルマーケティングの経験を重ねていきました。その後、プラットフォーマーのメディアを担当するなかでUUUM会長の鎌田と出会い、UUUMに入社しました。キャリアに共通して言えることは、コンテンツが大好きということですね。
現在は、コンテクストドリブンマーケティング事業の責任者をつとめています。昨年2021年に、新たな成長戦略「UUUM2.0」を発表し、そのなかで「インフルエンサーギャラクシー」と「コンテクストドリブンマーケティング」という言葉を使い始めました。
インフルエンサーギャラクシというのは、インフルエンサーの活動領域の総称です。プラットフォーム上のコンテンツ配信以外にも、ブランド立ち上げやタレント活動など、幅広い領域に活動が広がるなか、ビジネスにおけるさらなる共創と市場拡大を目指しています。コンテクストドリブンマーケティングは、概要・ストーリー・文脈を指す「コンテクスト」によってマーケティングを推進していくことを目的につくった言葉です。そしてそれこそが企業とクリエイターが共創を成功させる秘訣。コンテクストを取り入れたマーケティングをどんどん仕掛けていきたいと考えています。
UUUM2.0を打ち出した背景には、やはりコロナ禍があります。UUUMは2020年3月に東京ミッドタウンにオフィスを引っ越したのですが、直後に緊急事態宣言が発令されました。コロナ禍になる前から多様な働きかたを目指しリモートワークの準備をしていたこともあり、社内的にはすんなりリモートワークに切り替えができたのですが、従来のようなコラボレーションがうまくいかない時期が続きました。そうしたなかで、インフルエンサーの役割を見つめ直し、これまでのような情報発信以外にも力を発揮できることがさまざまな分野にあるのではないかと考えたのです。