「全員がインフルエンサー」の時代に、新たな文化をつくる
――UUUMが設立されて9年になりますが、インフルエンサーやコンテンツまわりでどのような変化を感じていますか?
常に変化し続けている業界ではありますが、コロナ禍の2年でより多様化が進んだと思います。趣味嗜好に関するさまざまな分野で、影響力のあるインフルエンサーがたくさん登場しています。中高年層がデジタルメディアに触れる機会も圧倒的に増えました。UUUMが始まった9年前、YouTubeは若年層施策だと捉えられていました。約4年前には、テレビCMに弊社のインフルエンサーを初めて起用いただいたり、昨年は日本コカ・コーラさんとオリンピックのお仕事もご一緒させていただいた。今ではHIKAKINやはじめしゃちょーのように登録者数1,000万人を超えるクリエイターもおり、ほかのデジタル関連のリーチ施策としても遜色ないフェーズまできていると実感しています。
コンテンツの内容としては、従来の雑誌メディアが取り上げてきたようなジャンルに勢いがあるように思います。5年くらい前から釣りや料理が、コロナ禍ではサウナやキャンプにまつわるコンテンツが増えました。40〜50代の視聴者が増えたため、経営学、株式マーケットなどのトピックも人気です。1つひとつは数千、数万の再生数だとしても、ほかのメディア、たとえば雑誌の発行部数などと比べると匹敵する数字ですし、ジャンルを深堀りするコンテンツは視聴者の満足度も高い。カテゴリやジャンルが増えたことで、企業さんとのコラボレーションの幅も以前とは比べものにならないほど広がっています。
――最後に、これからUUUMとして取り組んでいきたいことや展望をお聞かせください。
UUUM2.0をもっと仕掛けていきたいですね。インフルエンサーギャラクシーでは、ものづくり、ブランドづくりだけではなく、イベント開催なども含めて幅広く動いていきたいですし、次のステップに向かいたいインフルエンサーさん、クリエイターさんのバックアップを強化していきたいです。コンテクストドリブンマーケティングについても、もっと理念を発信し、啓蒙することで、その可能性を感じていただける方々を増やしていきたいと思っています。
実際に新しい共創の取り組みも進んでいます。博報堂さんとはジョイントベンチャー「HUUM」を設立し、ライブコマースを日本でもっと盛り上げていこうとしています。ABEMAさんとはコンテンツのペイ・パー・ビューを促進させる企画で一定の成果を出すことができました。インフルエンサーやクリエイターが、プラットフォームだけではない活躍の場を得るために、さまざまなメディアを掛け合わせた企画をどんどん仕掛けていきたいですね。
今の時代はタレント、芸人、モデル、アスリート、アーティスト、クリエイターなど、誰もがインフルエンサーであり、その垣根はなくなったと思っています。もっと言えば、SNSなどでアカウントを持っている方、拡散やバイラルに関わる方、そのすべてがインフルエンサーだと言えるでしょう。そんな世の中で、従来のインフルエンサーやクリエイターがどうやって活躍していけるのか、その文化形成にこれからも関わっていきたいと思います。
――市川さん、ありがとうございました!