Web3時代のコンテンツづくり――働きかたが多様化する今、クリエイターを取り巻く環境はどう変わるのか

Web3時代のコンテンツづくり――働きかたが多様化する今、クリエイターを取り巻く環境はどう変わるのか
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 本連載では、Web3時代にこそクリエイターがおさえておくべきトピックやコンテンツとの関係について、株式会社Mintoの代表取締役・水野和寛さんが解説します。第4回で取りあげるのは「Web3時代のコンテンツづくり」についてです。

Web3で輝くのは、個人クリエイターだけではない

 Web3で輝くクリエイターというと、個人のクリエイターをイメージする方も多いかもしれませんが、決してそうではありません。インハウスクリエイターももちろんその対象になると思っています。

 ここで個人クリエイターが置かれてきた環境をおさらいしてみましょう。いわゆるWeb2の時代だと、SNSクリエイターとして人気があっても、必ずしもデジタルコンテンツの販売につながっていませんでした。結果としてWeb2.0の時代は、彼らのSNS上の人気を軸とした広告収入が大きな収益源でした。

 しかし、ブロックチェーン技術によって、そういったクリエイターがつくるデジタルコンテンツそのものに価値を付与できるようになりました。そして、このメリットは企業の規模問わず、インハウスクリエイターにも生じる可能性があるでしょう。

 ブロックチェーン技術によって生まれたNFTでは、デジタルコンテンツに対して、新たにさまざまな「特典」や「権利」が付与できるようになりました。NFTの登場は単なる新しいコンテンツフォーマットの登場ではなく、デジタルコンテンツ自体のアップデートだと言えるのです。具体的には、特定のNFTコンテンツを持っている人だけが参加できるコミュニティや、オフラインイベントの開催など、CDと握手券がデジタル上でセットになっているイメージです。

 またアニメの制作委員会のように、多大の費用を投じてIP(知的財産)やコンテンツをつくりだしている会社やチームも、これらのアップデートのメリットを活用できると思います。

 もちろん、クラウドファンディングという手段も以前からありました。ただNFTは最初からデジタルコンテンツとして楽しんだりコレクションしたりすることが前提となっており、その先に想定される楽しみかたへの期待もふくめた価値がつきます。NFTを販売したお金でアニメを作成する、というような事例も登場しています。

 それらをふまえると個人クリエイターの方のメリットとしては、自身のファンに直接デジタルコンテンツを販売できるようになるという点を挙げることができるでしょう。

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