韓国/中国/タイのSNSコンテンツの特徴とは 国によって異なるトレンドを紹介
続いて樋口氏は、訪日客が多い韓国、中国、タイのSNSコンテンツの特徴を、事例とともに紹介。まずは、国別の人気のソーシャルメディアの比較から。韓国ではKakao Talk、Instagram、中国ではWeChat(メッセージアプリ)とTikTok中国版の抖音、タイではYouTube、Facebook、LINEが上位となる。この違いを押さえることも重要だ。
次に、Meltwater社のソーシャルリスニングツールを利用した、訪日客のSNS投稿の調査・分析結果を国別に見ていく。実際のコンテンツをもとに作成した画像例もあわせて紹介された。
1.韓国
韓国からの旅行客で多いのは、ショッピングと食事に関する投稿だ。ショッピングはファッションと観光に大きく分けられる。ファッション関連の画像投稿では、躍動感のあるストリートスナップや座っていても全身が写る構図が特徴。撮影場所は渋谷のスクランブル交差点、新宿、表参道など人通りの多いショッピングエリアやカフェのテラス席が多く、スタイリッシュな画像ほどエンゲージメントが高い。観光に関する投稿では旅行Tips、オススメの店舗やお土産、体験に関するものが多く、エリアでは札幌、函館、ニセコが多い。また、Kakao Payが使える店舗に関する情報も人気が高かった。
食事に関する投稿では、居酒屋の店内、食べ物(とくにラーメンや焼き鳥、お団子)の画像が多い。調理中の画像ではお好み焼きが多いという特徴もあった。投稿内容については、新鮮さ、季節性、派手すぎない盛り付け、日本の食文化のシンプルさや調和に魅力を感じている投稿が多い。「茶道の作法が日本文化の重要な側面をあらわしていると感じる」といった投稿も見られた。
韓国のインフルエンサーによるSNS投稿の特徴は、写真や動画に載せるテキストが小さく控えめであること。動画タイトルと旅行Tips(温泉旅行に欠かせない必需品、ツアー情報、写真撮影のコツ、おすすめの居酒屋など)がテキストで入り、ハッシュタグは今日の○○(投稿者名やアカウント名)が多いという特徴があった。
2.中国
中国からの観光客の投稿は、食事と自然に関するものが多い。食事に関する画像や動画では、回転寿司や店主・スタッフによるパフォーマンスなど、動きのあるものが人気で、韓国と違って派手な盛り付けの食事やデザートも多い。白や黄色の文字を使ったテロップをよく付けるのも特徴だ。
自然に関する投稿では、天気の良さ、青い空、花の画像が多く、エリアでは富士山、北海道、沖縄が人気。さらに桜の季節になると、ロマンチックな写真を撮るカップルの画像投稿が増えるという。
観光に関する投稿では、「鎌倉1日攻略」や「バスに並ばずに回る鎌倉」といったタイトルのもと、具体的な観光ルートや予定表、オススメスポットやお土産などを紹介するものが人気だ。
3.タイ
タイからの観光客は、ショッピングと食事に関する投稿が非常に多い。タイではYouTube利用率が94.2%と高いため、旅動画も人気コンテンツとなっている。動画はバラエティー番組のようなテンションと明るさが特徴で、食事や観光といったテーマのほか、古着屋、質屋での買い物動画も人気のようだ。
サムネイルはコラージュが多くカラフル。15分〜20分の動画は、ダイジェストから始まりオープニング、本編と進んでいく流れで、移動・ホテル・食事・買い物・観光といったコンテンツが凝縮されている。会話シーンが多く、テロップ、効果音、集中線のようなエフェクトを多用、最近では絵文字を使うのも流行だ。