【新連載】事業にインパクトを与えるデザイン組織を目指して 立ち上げや体制づくりの意図を徹底解説

  • X
  • Facebook
  • note
  • hatena
  • Pocket

デザイン組織が担当領域以外にも業務を広げる意義

 数年ほど前に、社外のデザイン会社に依頼をし、コーポレートサイトと採用サイトをリニューアルしたことがありました。しかし、スタートアップであるがゆえに組織や事業の成長スピードが速いことから、日々変わりゆく組織や事業のディテールを外部の制作会社に伝えきることは、非常に難易度の高いものでした。

 また、サイトリニューアル後に、採用候補者の方や新しくジョインした社員に、入社前のコーポレートサイトの印象についてアンケートを行ったところ回答が多かったのは、「モノトーンを基調としていてクールな印象を受けた」というもの。SUPER STUDIOが持つ温かい雰囲気やカルチャーを候補者の方へ正確に伝えられていないことが明らかになりました。また、サイトのリニューアルと並行して、採用体験の設計や資料作成なども別で進行していたため、会社のメッセージにブレが生じていたことも課題でした。

旧コーポレートサイト(左)と旧採用サイト(右)の一部
旧コーポレートサイト(左)と旧採用サイト(右)の一部

 こうしたSUPER STUDIOに対するイメージのズレやメッセージのばらつきを解消するために、改めてコーポレートブランドを確立する必要があると考えました。ちょうどそのころ、事業・組織の急成長に伴って採用進捗が鈍化していたこともあり、本質的なCXに取り組むことが喫緊の課題となっていました。

 しかし、過去の経験を通じて、社内のメンバーだからこそ伝えられるSUPER STUDIOの魅力やアイデンティティは、社内のメンバーでしか正しく表現できないと感じていました。そこで、2023年4月に採用・人事と広報のバックオフィスのメンバーとともにプロジェクトを立ち上げ、「コーポレートブランドの確立」と「採用ブランディングの設計」の2段階に分けて推進していくことになりました。

 次回はコーポレートブランドの確立におけるコーポレートサイトリニューアルの裏側について、デザイン組織としてどのようにプロジェクトを推進したのか、具体的な取り組みを交えて紹介します。お楽しみに。