「AI×家計簿」を軸にB/43は「ワンバンク」へ 刷新の背景やキャラクター誕生の狙いをデザイナー陣が語る

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2025/05/21 08:00

今後は「ワンバンの振る舞い」や「AIらしさ」をいかに表現するか

――リブランディングを進めるなかで印象深い出来事や心がけたことがあれば教えてください。

原田 サービスの将来像を模索するステップのなかで、デザイナーとして自分に何ができるのかを考えたり、キャラクターを制作する際に自分たちでも手を動かしながら、造形を繰り返したりする作業は時間もかかり大変でしたね。ほかの事例を徹底的にリサーチし、犬のキャラクターとしてしっかり差別化しなくてはいけないですし、チームとの認識を擦り合わせたうえでビジュアライズしていく必要がありました。

キャラクターが完成したあともカラーリングやキャッチコピーなどふくめ「ワンバンク」にとってどのように表現するのがベストなのかをじっくり検討していったことも印象に残っています。

長谷川 実際にビジュアルをアプリへと落とし込む工程が印象深いです。それぞれの担当領域のこだわりを擦り合わせながらプロトタイプとして整えていく。そういった作業を進めていくと実はチームごとに認識が合っていない部分があることも浮き彫りになったりするため、「こうあるべき」という議論だけではなく、それを具体的なビジュアルにしてからユーザー体験を見直していくよう心がけました。

takejune 私がとくに気にかけたのは「現在と未来をどのようにつなぎ合わせていくか」といった部分です。もちろんプロダクトのリニューアルがサービスの可能性を大きく広げるものでなくてはいけないですし、そのうえで今プロダクトを愛してくださっているユーザーさんたちにも納得していただく必要がある。

しかしこういったテーマで「議論」をしだすと作業の手が止まってしまうため、テキストベースでプランニングするよりも手を動かすことを意識しました。そうすることで「目に見えるモノ」を見ながら議論することができ、話も前に進みやすくなります。

――最後に、今後の目標について教えてください。

原田 コミュニケーションデザインの観点では「ワンバンをどのように活躍させるか」が大きなミッションになると考えています。すでに性格やストーリーなどの基本情報はできあがっていますが、これからはそれを体現する必要がある。どのように変化するのかワンバンには大きな可能性が秘められていますし、私自身もそれを表現することを楽しみにしています。

長谷川 アプリとしては、ユーザーの家計管理をサポートする存在であるという前提をふまえ、入力した情報に対するAIのレスポンスなど“AIらしい多彩さ”を伸ばしていくことが大切だと思っています。こうした視点で、アプリ全体の体験設計をよりブラッシュアップしていきたいですね。

takejune アプリを作ってみるまでは想像がつかなかった部分も多々ありましたが、実際に形にしてみると、キャラクターアシスタントがいることが、便利さや今までと異なる体験提供につながっていると実感しています。

また、現状でワンバンクがお役に立てるおもなフィールドは「支出を見える化」する部分ですが、これからはその先の「貯めていく」「増やしていく」といった部分でも、私たちがコミットできるステージを増やしていきたい。それが、経営視点での目標です。

――ありがとうございました!