写真もブランディング 大事なのは「どんな印象を与えたいか」
サービスでもコーポレートサイトでも広告でも、プロダクトの“最初の”印象は、そのUIで決まると言っても過言ではありません。ユーザーが最初に抱く印象や期待値は、ファーストビューに配置されるメイン画像によって、ある程度醸成されることも多くあります。もちろん、UXによってそれが変化することはありますが、最初に受けた印象とそのあとの体験が一貫していれば、プロダクトに対する信頼は上がっていきます。
そう考えると、入り口となるUIの印象を決める「画像」の1つひとつも、サービスやサイトのブランディングにつながるのです。
ところが、その画像や写真をいざ撮り下ろそうと思うと、社内にフォトグラファーがいない場合には、まず撮ってくれる人を探すところから始めなければなりません。どうやって見つけたらいいのか。どうやって依頼したらいいのかわからないという声や、納品してもらったらイメージと違って「満足できなかった」という声も聞きます。
私たちが行った「撮り下ろし写真についてのヒアリング調査」でも、66.7%が不満があったと回答しています。なかでももっとも大きな不満の要因は「写真の仕上がり(38.5%)」です。
なぜ、こうした「失敗」が起きてしまうのか。それは、フォトグラファーに依頼する側の準備不足に起因しています。
同ヒアリングの調査結果によると、「どんな写真を撮ってほしいですか?」という期待を問う設問に対し、30.8%が「自然な写真」、53.8%が「自社らしさ、世界観」と回答しています。これらの回答は、いずれも抽象度が非常に高いですよね。個人や企業によって「自然な写真」や「自社らしさ」などの認識は異なります。
先述の通り、写真はブランディングにも影響を与えますので、プロダクトのブランドイメージを具現化し、それを写真で表現することが必要です。そのためにはプロダクトを通じて表現したい「ブランドイメージ」、見た人に与えたい「印象」を明確にした上で、フォトグラファーに依頼する必要があります。
写真のテイストで印象はこう変わる~人物編~
たとえば、自社の採用ページに掲載するために、社員の写真を撮影する場合を考えてみましょう。「はたらく人」というテーマでも、写真のテイストでこれだけ印象は変わります。
【1】と【2】は彩度も高く、ほどよい陰影のスッキリとしたテイストなので、明るくてポジティブな印象を与えやすい写真です。
【3】と【4】は、コントラストが強いシャープなテイストなので、クールかつドラマチックで重厚感のある印象を作っています。
【5】と【6】は、コントラストや彩度を抑えたテイストなので、フラットで優しく、やわらかい印象になっているのがおわかりいただけるかと思います