「失うものはない」 新卒で大賞を受賞したプランナーが2年分のメトロアドクリエイティブアワードを語る

「失うものはない」 新卒で大賞を受賞したプランナーが2年分のメトロアドクリエイティブアワードを語る
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2020/11/17 11:00

 公募型広告賞「Metro Ad Creative Award 2020」の作品募集がスタートした。今年で第4回を迎える同アワードは、交通メディアを題材に2017年より開始されている。応募資格に制限はなく、年齢・職業・国籍に関わらず、誰でも挑戦することが可能だ。そんなアワードにチャレンジし、昨年見事プランニング部門の大賞に輝いたのが、当時新卒1年目であった中村朱里さんだ。応募に至った経緯や企画誕生の裏側、アワードにかける思いなどについて話を伺った。

自身の経験をもとに挑んだ課題は「女子中高生のスポーツ継続率を高める」

 クリエイティブ業界では、毎月大小さまざまなアワードが開催されており、クリエイターたちは自らが目標とする結果を得るべく、しのぎを削っている。東京メトロの交通メディアをはじめ、あらゆる領域のコミュニケーションをプロデュースする総合広告会社「メトロアドエージェンシー」も、2017年より「Metro Ad Creative Award」をスタート。東京メトロの交通メディアを使い、協賛企業のサービスや商品の課題を解決するためのユニークなプロモーションアイディアをプランニング部門、デザイン部門の2部門で募集する。

 東京メトロといえば、首都圏を走る鉄道各線の中でもとくに昼間の人口が多く、大企業のオフィスビルや商業施設が立ち並ぶエリアを走っていることが特徴。その平均輸送人員は、1日あたりのべ755万人(2019年度)を超える。その特性を活かし、グランプリをはじめとした各賞の受賞作品は、賞金や賞品のみならず東京メトロ銀座線の1編成に展示される点も、応募者にとっては魅力のひとつだろう。

 そんなMetro Ad Creative Awardのプランニング部門で、新卒1年目ながら昨年大賞を受賞した人物が中村朱里さんだ。普段は東急エージェンシーでプランナー兼コピーライターとして活躍し、テレビCMからウェブキャンペーンに至るまで、幅広いコミュニケーション設計に携わっている。

 中村さんが応募したプランニング部門では、企画書形式でアイディアを提出する。さまざまな協賛企業のお題から選んだのは、アディダス ジャパンの「女子中高生のスポーツ継続率を高める」という課題。

「学生のころにスラックラインというスポーツに打ち込んでいた『スポーツ女子』だったので、自分の経験を課題解決のアイディアに組み込めるのではないかと思いました。スポーツを継続するにはチームメイトの存在がとても大きいと私自身も実感していたので、それを柱として企画を考え始めました」

株式会社東急エージェンシー プランナー/コピーライター 中村朱里さん
株式会社東急エージェンシー プランナー/コピーライター 中村朱里さん

 プランニング部門の掲出メディアとして指定されたのは東京メトロの新宿駅と新宿三丁目駅をつなぐ地下連絡通路「メトロプロムナード」。その全長は約80mにもわたり、東京メトロ最大のメディアスペースとなっている場所であった。