日本向けAdobe MAXキーノートで紹介された最新情報をおさらい サンリオピューロランドの事例も

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2020/11/20 08:00

 日本時間の10月21日から3日間、「Adobe MAX 2020」が初の完全オンラインで開催された。同イベントでは無料で多様なセッションが視聴できるほか、開催終了後の現在も無料のオンデマンド配信で動画を視聴できる。本記事では、10月21日13時から配信された日本向け基調講演の配信内容をおさらいしたい。同配信では、グローバル向けの基調講演では紹介されなかった事例も紹介された。

ソニーの電気自動車「VISION-S」でもAdobe XDが活用

 冒頭ではアドビのスコット・ベルスキーCPOが登壇し、45の日本語セッションやそれ以上の字幕付きセッションが配信されることを紹介。その後、ソニークリエイティブセンターの赤川聰さんが映像にて出演し、電気自動車「VISION-S」のプロトタイプ発表でAdobe XDが活用された事例を語った。

ソニー クリエイティブセンター エクスペリエンスデザイングループ チーフアートディレクター 赤川聰さん
ソニー クリエイティブセンター エクスペリエンスデザイングループ チーフアートディレクター 赤川聰さん

「ソニーはモビリティにおいて安心安全エンターテインメントを追求し、『VISION-S』プロトタイプとして発表したのですが、その際に、色、レイアウト、画面遷移、インタラクションなどを包括的なデザインとして組み立てることが必要でした。そのデザインシステム作成にあたり、幾度となくプロトタイプの検証を行ってきた。今回はAdobe XDを活用し、ディレクターとデザイナー間のデータの共有、フィードバックにおいて何度も検証を繰り返しながら、デザインのクオリティを上げていきました」

IllustratorはiPad版が新登場 デスクトップ版も配色機能が進化

 続いて、新製品となる「Illustrator iPad版」について、ハローキティなどのキャラクターで知られるサンリオピューロランドのクリエイターがiPadでデザインを行っている事例が紹介された。

 サンリオピューロランドの中では、グラフィックデザインや、立体物、環境装飾、内装などで、それぞれのキャラクターを使ったデザインが使われており、これらのデザインにIllustrator iPad版が活用されている。同社のKeito Kojimaさんは、「以前は紙でラフを書くことが多かったが、iPadを使用してからはラフから入稿データの作成まで一貫してできるようになり、作業時間が短縮できるようになった」と語る。

株式会社サンリオ エンターテイメント事業本部 Keito Kojimaさん
株式会社サンリオ エンターテイメント事業本部 Keito Kojimaさん

 また、写真をiPadで撮影して、それをもとに想定する装飾を配置したりできるので、作業環境がオフィスに限られなくなったことも大きな変化だ。さらに、デスクトップ版と連携してiPad版で作成したラフをデスクトップで仕上げたり、デスクトップ版で作成したグラデーションをiPad上で適用するといった活用例も紹介された。

 続いて披露されたのは、Illustrator iPad版のデモンストレーション。基本のベジェ曲線の扱いから、「共通アクション」機能で線の太さや不透明度を変更する操作、ペンツールの滑らかさの調整、フォントのアウトライン化など、さまざまな機能が解説された。

Illustrator iPad版のデモの様子。
Illustrator iPad版のデモの様子。

 Illustratorのデスクトップ版においては、「オブジェクトを再配色」機能の変更点を紹介。また追加された「リセット」ボタンを活用することで、配色を何度も試しやすくなっていた点も印象的だ。「カラーテーマピッカー」で写真の配色をオブジェクトに適用できることも進化した点のひとつだろう。

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