「クリエイティビティは世界を結び、変える力を持つ」 Adobe MAX 2021で発表されたアップデートをおさらい

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2021/11/24 08:00

 アドビは2021年10月にオンラインクリエイティブイベント「Adobe MAX 2021」を開催。本記事では同イベントにおける日本向け基調講演の様子や、Adobe Creative Cloud製品群に関する数々のアップデートについて紹介する。

ナラヤン氏と神谷氏が登場 アドビが見据える未来とは

 冒頭には、アドビ株式会社の社長をつとめる神谷知信氏が登壇し、次のように語った。

「昨年からのパンデミックで“デジタル”は世界中で必要不可欠な存在になりました。私たちの生活や仕事、人との交流、余暇の過ごしかた、学び、あらゆる場面でデジタルなやりとりが中心になっています。アドビでは『心、おどる、デジタル』という日本市場としてのビジョンを策定しました。喜びと感動を創出するデジタル体験を推進していきます」

アドビ株式会社 代表取締役社長 神谷知信氏
アドビ株式会社 代表取締役社長 神谷知信氏

 直近の状況については、昨年強い要望があったAdobe Illustrator iPad版が、多くのユーザーに利用されていることに言及。また動画制作においても、今年2021年の夏にリリースしたAdobe Premiere Proの音声テキスト化機能も好評のようだ。

 さらに、今回日本向けに提供されるアップデートに関しては、3年ぶりの日本語フォントとして追加される「ヒグミン」フォントに触れた。さらに、アニメ版『鬼滅の刃』でも採用されている毛筆フォントメーカー、昭和書体のフォントも利用可能となる旨を補足した。

Adobe Chairman, President & CEO Shantanu Narayan(シャンタヌ・ナラヤン)氏
Adobe Chairman, President & CEO Shantanu Narayan(シャンタヌ・ナラヤン)氏

 続いて、アドビの会長、社長兼CEO(最高経営責任者)Shantanu Narayen(シャンタヌ ナラヤン)氏が登壇。アドビはクリエイティブな表現でコミュニティをつなぐ機会を大切にしてきたとし、グローバルなクリエイティブコミュニティが、多様性、公平性、インクルージョンの実現に向けて団結していることを強調した。

 ナラヤン氏は、アドビのサイトに「多様性を重んじる」ページを設けたこと、そしてそれを誰もが利用でき、自分のストーリーを共有できることなども紹介。「多様な視点の意見を聞くことで、次世代の可能性の進化に役立つと確信しています」と話した。

 また、アドビの主力製品がPCやデスクトップ、モバイルデバイスをサポートし、場所を選ばずに作業できるようになったことを前提とした上で、今後は「Adobe Creative Cloudを積極的にウェブ展開し、コンテンツ制作と共同作業の最高級プラットフォームにする」ことが目標であると語った。

 共同作業の重要性について言及する際に挙げたのが「Frame.io」の買収だ。これによって、ビデオ編集におけるPremiere ProとAdobe After EffectsにFrame.ioのレビューと承認機能が結合され、両製品が共同作業プラットフォームとしても強力になったことを紹介した。

Adobe Senseiは5周年を迎えた。
Adobe Senseiは5周年を迎えた。

 登場から5周年を迎えたアドビのAIと機械学習のフレームワーク/エンジン「Adobe Sensei」についてナラヤン氏は「長時間と専門知識を要した作業を、数クリックの操作に変えました」とそのメリットを端的に説明。

「このMAXに集う真の目的は皆さまとともに、未来を想像していくというアドビの決意表明です。これほど豊かで刺激的な共同作業はないでしょう」

 最後にナラヤン氏は次のように語り、自身のパートを締めくくった。

「私たちはクリエイティブルネッサンスの時代に生きています。誰もが想像する意欲を持ち、共有するストーリーによって世界が再構築されています。だからこそあらゆる人がクリエイティブな表現を活用できる世界を目指しています。あらゆる場所ですべての人がストーリーを伝えるツールを手にすること。それがアドビのすべての活動の根幹です。

この1年で学んだことがあるとすれば、クリエイティビティは世界を結び、変える力を持つということです。ですからストーリーを語りましょう。互いに学び、刺激し合ってください。未来は創造する人のものです。一緒に、その先を創りましょう」

製品アップデートにおける3つの軸

 続いて登場したのは、Creative Cloud担当エグゼクティブバイスプレジデント兼CPO(最高製品責任者)のScott Belsky(スコット・ベルスキー)氏。各製品の担当者にバトンを回しつつ、製品アップデートについて解説した。

 まず、ベルスキー氏が示したのは、Creative Cloudのロードマップにおける3つのゴールだ。

  1. 真にデジタルにつながったクリエイティビティを実現すること
  2. クリエイティブの可能性を解き放つこと
  3. クリエイターのキャリアを支援すること

 ひとつめのゴールについて、Creative Cloudを共同作業のツールに進化させるうえでウェブ上でのアクセスをしやすくすることやFrame.ioの導入について紹介。ふたつめでは、Adobe Senseiによる新機能や、イマーシブなジャンルの製品に関するアップデートを例に挙げた。3つめのゴールの例としては、BehanceにおけるAdobe Liveプラットフォームでのライブ配信やアセットをサブスクリプションで収益化できるようになり、アドビは手数料を一切取らないことなどを紹介した。

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