今回は、生活者の「広告嫌い」が顕著になっている中、どのようにして「愛される広告」をつくるのか。YouTubeやInstagram、TikTokの各プラットフォームの特徴をおさえながら解説します。
広告ブロックアプリ「280blocker」が3年連続、App Storeにおける有料アプリランキングで1位を獲得するなど、ここ数年でとくに「広告嫌い」の人が増えているのではないでしょうか(参考記事:トビラシステムズ プレスリリース)。スマートフォンの小さな画面にたくさん表示される広告は否定的に捉えられやすく、マーケターの頭を悩ませているトピックでもあります。
マーケター目線で言うと、パフォーマンス広告が主流になるに従い、直接購入につながるCPA(成果単価)至上主義の傾向も強まっています。CPAはクリックとコンバージョンが重要な指標になるため、目を引くクリエイティブや表現の極端なクリエイティブを発信しがちになります。一方で、それを繰り返すことで広告とサービスの実態が乖離してしまうなど、「広告への嫌悪感」や「企業へのネガティブな印象」を助長させる一因になる可能性もあるでしょう。
これらを踏まえると、これからの広告は「デジタル上の効果を出すこと」と「生活者目線で楽しんでもらう(=嫌われない)こと」が重要な観点になると考えています。では、楽しくてつい最後まで見てしまうような「愛される広告」には、どのような要素が求められているのでしょうか。キーワードは、クリエイターと企業の「共創」です。
「信頼している人」の広告は最後まで見たい
生活者が見たいと思うコンテンツには、自身の生活になじむ親近感やエンタメ性があります。
SNSで支持を集めているクリエイター(インフルエンサー)は、まさに生活の一部をコンテンツにしており、ファンにとって彼らは友人のような身近な存在です。とりつくろわないコンテンツを発信しているクリエイターたちは信頼度が高く、結果、彼らから紹介する商品は(企業広告も含め)ファンに受け入れられやすいという特徴があります。
しかし、単にクリエイターが商品を紹介すれば良いというわけではありません。たとえフォロワーが多いクリエイターだとしても、商品とクリエイターの世界観が合っていなければ、反対にファンとクリエイターの信頼関係を壊しかねないマイナス要素になってしまいます。
つまり重要なのは、商品の広告がクリエイターの生活の一部になっていること。私たちはこれをクリエイターと企業の「共創マーケティング」と呼んでいます。