「自己表現が得意」だけではない Z世代が好むコミュニケーションと特性に合わせたSNSアプローチとは

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2023/04/27 11:00

発信は「コミュニケーションターゲット」ともに

 続けて平山氏は、実際のコミュニケーションで意識すべきポイント3点を提示。ひとつめは「話者・面はできるだけ複数持つことを心がける」こととし、その具体的な面としてメディア、ソーシャル、オウンド、広告の4つを挙げた。

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「ソーシャルにおいては、インフルエンサーや一般の方によるクチコミ・発信をいかに生み出していくかが重要です。そのうえでオウンドは、継続的に利用してもらい、ファンをつくるための場所として活用すると良いでしょう」

 以前は、ブランドの世界観や企業として伝えたいメッセージはウェブサイトで表現されることが一般的であったが、現在はSNSがその役割を担うケースが増加している。

 そんなオウンドとしてのSNSで偶発的な出会いを生むための起点となるのが「ショート動画」だ。自分たちの世界を大切にしながら、動画などのコンテンツを多角的に発信し、レコメンドによる偶然の出会いにいかに“引っかかって”いくか。そして「なんか良いかも」と興味を掻き立てたあとに訪れるアカウントのプロフィールで、距離を縮めていくことが重要だと平山氏は言う。

「そのうえでキャンペーンを設計したり、商品に対して意見をもらったりするなど参加型の投稿を交えながらコミュニケーションを重ね、企業や商品を好きになってもらう。そしてまた発信者として自分ゴト化してもらうというサイクルを回すことが、理想ではないでしょうか」

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 こういったステップを経たあとにすべきこととして最後に示したのは、情報拡散の火種となる「コミュニケーションターゲット」へのアプローチ。特定の分野への興味が高く、発信力のある人たちとともにブランドや商品に関する発信を行っていくのだ。ただ、このターゲットとなるのは、単にフォロワー数が多いインフルエンサーというわけではない。

「濃い情報を持っている、その分野でしっかり信頼を得ている、企業や商品との相性が良いなどの観点をふまえコミュニケーションターゲットとしてまずはアプローチし、そのあとにマスへと広げていく。これがSNS上のコミュニケーションでは非常に重要なのです」

 なおMERYでは、若年層やZ世代にフォーカスした効果的なブランドコミュニケーション・プロモーションのサポート、SNS運用や短尺動画の制作なども行っている。自社としても複数のアカウントを運営しており、「mery.jp」では直近1年で1,000万回再生突破のコンテンツを複数回生み出すなど、継続的にヒット動画を制作できるメンバーも揃っている。

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 平山氏はZ世代にまつわる施策実施を検討している企業へ次のように語り、セッションを締めくくった。

「最近では、ブランドのコミュニケーションの上流である『戦略』からサポートさせていただくケースも非常に増えています。どんな形でSNSに取り組んでいけば良いのか迷われている方のお役に立てることがあるかと思いますので、『Z世代と言えばMERY』と覚えていただけると嬉しいです」