コンテンツ作成におけるChatGPTの効果的な活用法
ChatGPTは、ウェブ制作担当者にとって有効なサービスですが、効果的な活用にはコツが必要です。とくに気を付けなければならないのは「プロンプトの質」です。
プロンプトとは
プロンプト(Prompt)とは、ChatGPTに向けた命令文のことです。ChatGPTは、このプロンプト内容に沿って回答を生成するため、プロンプトの質を上げることで、ユーザーが期待するアウトプットに近づかせることができます。
プロンプトで押さえるべきポイント
質の高いアウトプットを手に入れるためには、大きく分けて「具体的な質問」「制約条件」「追加の質問」の3つのポイントをおさえましょう。
1.具体的な質問
ChatGPTは曖昧な指示を出すと、曖昧な回答が返ってきてしまいます。
たとえば、AI分野の専門用語に「ショット」という言葉があります。しかし、この意味を知るために「ショットとはどういう意味ですか?」とChatGPTに指示を出しても、テニスやゴルフのショットや、お酒のショットの説明が出力されてしまいます。それを防ぐためには、「AI分野におけるショットとはどういう意味ですか?」と具体的に入力することで、期待した回答を得ることが可能です。
具体的な指示を出すことで、さらに理想的な回答が返ってきます。「例えを用いて」「5歳児でもわかるように」と伝えることで、より回答の具体性が増します。
2.制約条件
ChatGPTは基本的にテキスト形式で回答を生成しますが、制約条件を加えた指示を出すことで、その条件を満たした回答を得ることが可能です。代表的な指示として、「文章の雰囲気」や「文字数」「データの形式(テキスト/HTMLなど)」などが挙げられます。
ウェブ制作者にとっては「SEOに対策された文章で」などと指示を出すことで、より効果的な活用が可能となるでしょう。
3.追加の質問
もちろん、ChatGPTの回答が期待した基準を満たさない場合もあるでしょう。ChatGPTは、過去の会話をふまえて回答をする特徴があるため、回答を深掘りしたい場合は追加で質問をすることが大切です。
たとえば回答の内容がいまいち理解しがたい場合、「具体例を挙げて」と指示を出してみたり、参考文献を知りたいときには「参照すべき情報ソースを教えて」と指示をすることで、会話を通してより期待するアウトプットに近づけることができます。
初手で100%の回答を得ようとせず、対話によって回答の質を上げていくことがChatGPTを有効活用するためのポイントです。
ChatGPTをウェブ制作で活用する際のリスク
ChatGPTは、ウェブ制作担当者にとって非常にメリットのあるサービスです。とはいえ、利用にあたってリスクもあることを理解しておきましょう。いちばん大切なポイントは、AIにすべて依存せず、人の目を介す必要があるということです。
1. ハルシネーション(幻覚)リスク
ChatGPTで生成した文章は、自然でもっともらしい文体・内容となっていますが、事実でない文章を生成することがあります。これを「ハルシネーション」と言います。GPT-4ではハルシネーションに対する改善もされていると言われていますが、人の目を通して事実確認をする必要があります。
2.倫理リスク
ChatGPTが出力した回答には、事実として正しくても、倫理的に問題がある発言が生み出されるケースもあります。こちらも人の目を介して、リスクを低減していく必要があります。
3.著作権リスク
ChatGPTの規約に従う限り、生成したコンテンツの権利はユーザーに譲渡されるため、商用利用が可能です。(2023年5月現在)
とはいえ、ユーザーが入力したデータそのものが、著作権違反にあたるコンテンツの場合、もちろん違反となるため注意して活用しましょう。公式サイトを確認するなど、定期的に情報をアップデートする必要があります。
AIライティングツールの台頭
ChatGPTなどのAIの発達にともない、AIを活用したAIライティングツールが多く誕生しています。
ChatGPTより記事制作に特化した機能が搭載されているため、ウェブ制作担当者にとっては、AIライティングツールを活用するほうが好ましい場合もあるかもしれません。
弊社が運営するTranscope(トランスコープ)もAIライティングツールのひとつで、SEOに強いのが特徴です。Googleで上位表示されているサイトでよく使われている重要キーワードが含まれた、自然な文章の記事をAIが作成します。
ChatGPTだけでなく、特化型AIツールを使うことも業務効率を上げるためのポイントになってくるでしょう。
まとめ
ChatGPTは企業やウェブ制作担当者にとって多くのメリットをもたらしますが、お伝えしたようなリスクも存在します。効率的なコンテンツ作成や、SEO対策を強化する中でも、AIによる自動生成だけでなく、人間の判断や編集力も重視しながら対応していくことが求められるはずです。
今後はさらに、ChatGPTをはじめとするAI技術と人間の協働が重要となっていくのではないでしょうか。