[レポート]ブランドの人格づくりとは スマイルズ×Clear×BAKE×オールユアーズが語る

[レポート]ブランドの人格づくりとは スマイルズ×Clear×BAKE×オールユアーズが語る
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2019/12/02 08:00

 CX(顧客体験)プラットフォーム「KARTE」を運営するプレイドは、最先端のCX(顧客体験)を学び体験できるカンファレンス「CX DIVE 2019 AKI」を10月25日(金)に東京・虎ノ門ヒルズフォーラムにて開催した。本記事では、スマイルズ野崎亙さん、日本酒スタートアップClear Inc.生駒龍史さん、BAKE Inc.貞清誠治さん、オールユアーズ木村昌史さんが登壇したセッション「熱量あるブランドづくりで、極上の体験をつくる」の様子をお届けする。

ブランドに人格を設定する理由

木村(オールユアーズ) ブランドやサービスを始めるときに、ユーザーのペルソナのようなものを決めると思うのですが、ブランドの「人格設定」はしていますか?

生駒(Clear) そうですね。われわれがやっている日本酒ブランド「SAKE100(サケハンドレッド)では、「そのブランドが一体どういう人格と性質を持っているのか」といった解像度を、社内で徹底的に上げるようにしています。

いわゆるブランドペルソナといった話になると思いますが、平たく言うと「人格」で、たとえば「紳士的な」とか「情熱的な」とか「フレンドリー」とか、どのキーワードを選ぶかによってブランドのタイプが大きく変わってきます。そういった人格を決めるのは、ブランドを360度どの角度から切り取っても、ブランドの哲学が反映されているという状況がとても大切だと思っているからです。たとえばダメな例でいうと、ウェブサイトはかっこよくて酒はうまいのに、カスタマーサポートが全然スマートじゃないとか梱包が雑だったとか。

株式会社Clear 代表取締役CEO 生駒龍史さん
株式会社Clear 代表取締役CEO 生駒龍史さん

われわれは、ラクジュアリー市場を開拓するブランドを作ると言った以上は、お客様とブランドの接点すべてに自分たちの哲学が浸透しているというのが大前提だと思うんですよね。でも、それを浸透させるのってすごく大変。

少人数のベンチャーだったら、なんとなくでイメージが共有できることもあると思うんですが、人が増えていくにつれ「SAKE100だったらこう考えるべきだよね」とか、「マニュアルにはないけれど、右か左か考えたときにSAKE100なら当然右でしょ」というようなイメージをいかに社内のみんなに思ってもらうかを意識しなければなりません。

人格設定については、「われわれは何者なのか」ということをしっかり理解する必要があるという意味で、ブランドをリリースした段階から、チームメンバーと議論をするようにしています。

木村 おふたりはブランドに人格を設定していますか?ちなみにオールユアーズの人格は、フレンドリーでいいヤツ。あとは、相手を主役にする人です。

株式会社オールユアーズ 代表取締役 木村昌史さん
株式会社オールユアーズ 代表取締役 木村昌史さん

スープストックトーキョー流 変化を許容するための人格づくり

生駒  「自分たちは何者か」という視点でいうと、スマイルズさんのブランドは、すべてにバチッと色がある印象があります。

野崎(スマイルズ) 僕らはスマイルズという会社の人格も、スープストックトーキョーという人格も、共通項はあるもののすべて違うんですよね。

ブランドプロミスが今後伝承されていくことを考えると、それを維持することが難しくなるケースもあります。それが次のフェーズに入ったときにリスクになってしまったり、イメージの固定化につながることもあるんですよね。実際、世の中って川のように流れていっているのに、気がついたらずっと同じところに一本杉のようにどどまってしまって、存在している位置は昔から変わらないんだけど、相対的に見ると世の中の時流から離れてしまっている、といったこともありうるじゃないですか。

でもたとえば、20代の僕が30代、40代、50代と年を重ねていったときに、僕は僕なんだけど、きっと微妙に変わっていますよね。そういった変化を、自然に許容できるようにするために人格を設定しています。

よくスープストックトーキョーはペルソナマーケティングに取り組んでいると言われることもあるんですが、ペルソナはやっていません。われわれが何者なのかというのは変わらないけれど、社外のいろいろな影響を受けながらブランドもゆらいでいくものなんですよね。接客の基本的なスタンスは変わらないんだけど、使う言葉遣いもその中で少しずつ変わっていく。ブランドを独り歩きさせるために、人格を設定しているという面もあります。

株式会社スマイルズ 取締役 クリエイティブ本部 本部長 PASS THE BATON事業部 事業部長 野崎亙さん
株式会社スマイルズ 取締役 クリエイティブ本部 本部長 PASS THE BATON事業部 事業部長 野崎亙さん

スープストックトーキョーは、「遊び心がある」という人格もあるのですが、最初の頃はお客様からすると「誠実で楽しいことをやっているブランド」というイメージがあったと思います。

かなり前からスープストックトーキョーでカレーも提供しているんですが、「こんなに頑張って作ってるのにカレーがあまり知られてないのはかわいそうだから、どうにかしたい」という、とある営業スタッフの一言から、それを機にカレーをフューチャーしようということになりました。

僕らは常に商品を8~10品ほど出していて、そのうちの1~2品程度がカレーだったので、それを3品にするのはどうですか?と言われたんですが、いやちょっと待ってと。スープストックトーキョーさんの人格からすると「やるときはしっかりはっちゃける人だからそんなことはしない」という話をし、それなら全部カレーにしようということで、1年に1回「カレーストックトーキョー」という”スープのない1日”を始めました。

その結果、たくさんのお客さんが来てくれて。そんなことやらなそうと思っていた方もいらっしゃったと思うんですが、「ちょっとブランドとの距離を感じる」と思われていた方との距離が一気に縮まりました。

でもそれはあえて外したのではなくて、もともとの人格形成的には、「普段はカラオケとか行かないんだけど、行ったら行ったで思いっきり熱唱する」っていうタイプなんですよね。

貞清(BAKE) スマイルズさんは、僕らの人格作りと全然違うんですよ。僕らはスタッフが足並みを揃えられるようにという意味で人格設定をしている部分もあるのですが、スマイルズさんはどちらかというと、人格を設定しているのは運営スタイルのみ。でもどんな方向性で進んでいくのかまで筋は通している。それがすごく刺激になりますね。

株式会社BAKE チーフクリエイティブディレクター 貞清誠治さん
株式会社BAKE チーフクリエイティブディレクター 貞清誠治さん

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