「人生観」と「世界観」はつながっているのかもしれない――YouTube「魚屋の森さん」/寿商店 森朝奈さん

「人生観」と「世界観」はつながっているのかもしれない――YouTube「魚屋の森さん」/寿商店 森朝奈さん
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2024/09/24 08:00

 近年、世界観という概念が注目されています。モノやサービスが溢れるいま、人はその背景にある独自の世界観に惹かれる傾向にあるからです。本連載では、さまざまなクリエイターとそんな「世界観」の正体を考えていきます。聞き手をつとめるのは、『全裸監督』などの作品にプロデューサーとして携わり、世界観研究所の所長でもあるたちばな やすひとさん。第10回では、名古屋の鮮魚おろし「寿商店」の二代目で、YouTubeチャンネル「魚屋の森さん」でも活躍する森朝奈さんとの対談をお届けします。

コミュニケーションの場として始めたYouTube

たちばな いつもYouTubeチャンネル「魚屋の森さん」を楽しく拝見しています。ちなみに今日も早朝、市場に行かれていたのでしょうか。

 はい。今日は仕入れの日でしたので、父と朝から市場に行ってきました。

たちばな 朝から夜まで働いてらっしゃるイメージですが、簡単な1日のスケジュールから教えてください。

 早朝から市場に行き、帰ってくるのが朝の9時や10時。そのあとにEC関係の仕事をし、それ以降は、社内外の会議や現場に出たり、デスクワークをしたり、イベントに出たり、YouTubeロケをしたりしています。

たちばな すごい!お忙しい日々ですね。

 基本的に仕事が軸になっていますね(笑)。

たちばな YouTubeチャンネルは、どのようなきっかけで始めたのですか?

 コロナが蔓延し始めたことです。お魚も売れないし、お客さんとのコミュニケーションも取れなくなってしまった。そんな事態をなんとか解消したいと思ったのが始まりです。

森朝奈さん
寿商店 常務取締役/YouTube「魚屋の森さん」 森朝奈さん

私の原点は、幼いごろに父が魚屋として働いている姿。それが今の活動にもつながっているような気がします。父は、お店にくるお客さんに「今日はこんな魚が入っているけどどうですか?」と声をかけ、どうやって料理をすれば良いかわからないお客さんには「煮付けにするとおいしいですよ」なんて話をする。その結果、お客さんがお魚を買っていってくれるといった姿を毎日のように見ていました。次の日にそのお客さんがまたやってきて「美味しかったです」なんて声をかけてくれる。そういったやりとりをしている父のことを、誇らしく感じていました。

たちばな そんなお客さんとのコミュニケーションを、ネット上でのやりとりで代替したわけですね。

 父が対面で行っていた方法を、今の時代に合わせているイメージです。

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