ショートドラマとテレビドラマで異なる“こだわり”のバランス
――Mintoに入社されたきっかけを教えてください。
新卒ではテレビドラマの制作会社に入社し、アシスタントプロデューサーとして映像制作を経験しました。その後、フリーランスでの活動を挟み、前職ではスタートアップ企業でCMやエンタメコンテンツの制作に携わり、松本優作監督の「乃木坂シネマズ」でドラマプロデューサーとしてデビューしました。6年ほど働いたのですが、独立しようかと思っていた矢先に出会ったのがMintoです。
――Mintoでショートドラマの制作に着手したのはいつごろでしたか?制作体制や業務内容もふまえお聞かせください。
入社前に業務委託としてMintoの仕事に携わっていたのですが、2023年の夏ごろから弊社役員の中川から「ショートドラマ」の話を聞いており、その年の年末には「ショートドラマを作り始めたい」との相談も受けていました。私が入社した今年の1月は、そんなショードラマの業務が本格化したころだったと思います。
私の仕事内容としては、企画立案・選定の部分をおもに担っており、トレンドをおさえながらショートドラマとしてヒットするにはどこに注力すべきかを考えるといったMinto Studio全体のプロデュースに重きをおいています。また個々の作品制作では、スタッフィングやキャスティング、脚本づくりなどを中心に関わっており、制作現場の前線でも活動しています。撮影自体は複数作が同時進行で進むことも多いため、パートナー企業と協力しながら進めています。
――テレビドラマの制作経験があるなか、ショートドラマに携わってみて感じた違いなどはありましたか?
前職との共通点もあったことから、第1弾の制作からスムーズに進めることができたと思っていますが、テレビドラマ視点とショートドラマ視点での「良いもの」は明確に違うことを実感しました。
ショートドラマは、映画や連続ドラマなどに見られる全体を通して楽しむ緻密なストーリー構成や目を惹く奇抜なテーマよりかは、期待値を持って見られる王道のログラインやキャッチーなキャラクター性、わかりやすい対立構造などを求められていることがわかりました。
2024年に初期作品として手がけた7作品は、僕にとっては非常に大きな意味を持っており、制作時に手ごたえを強く感じたものもあればもう一歩だったと反省する作品もありました。しかし、それらは世間の反響とは必ずとも一致しているわけではありません。
ドラマ制作者からみるとディテールが少し甘いのではないかと思う作品でも、予想とは違ったヒットにつながることもありました。細部にこだわりを注ぐことは大切ではありますが、ショートドラマの特性をつかまなければならないと実感しましたね。そういった経験を経て、制作時の意識は大きく変わりました。