XRのIPコンテンツ
「メタバース」という仮想世界に住む概念とは別に、「XRに関連する技術」「ゲームやVR/ARといったIPをコンテンツとして販売する方向性」についてもまとめています。
VR
第1回記事では、ヘッドマウントディスプレイ向けのさまざまなコンテンツを紹介してきました。配信されている作品の品質は素晴らしいものが多く、やはり一度体験すると改めて感動するものも少なくありません。ヘッドマウントディスプレイは日常的に使うものでないにせよ「熱狂的なコアファンが一定数定着しているところには、確実におもしろいコンテンツ体験がある」ということを体現していると思います。
海外よりむしろ日本のほうが文化としては盛んであると見られる風潮もあります。もしかすると、日本発の文化として開花させる、というシナリオがあり得るジャンルだとも感じます。
ゲーム
クリエイターにとって、「インディーズゲーム」は注目しても良いポイントかもしれません。インディーズゲームはAAAタイトルとは異なる独自のストーリーや芸術性を持つ作品が多く、SteamやItch.ioといったプラットフォームのほか、Nintendo Switchなどもインディーズゲームを積極的にサポートしており、注目を集めています。
ゲーム配信がいちジャンルとしてより大きくなるのであれば、ゲームもより多様なストーリーと世界観が求められたり、ライブ配信者がオートクチュールでオリジナルカスタムするUGCが出てきたりといった可能性も考えられます。さまざまな潮流が出てくれば、ゲームデザインもひとつの職業として今より大きなカテゴリになるかもしれません。
イマーシブエンタテイメント
最近では、施設型のイマーシブエンタテイメントの話題をよく耳にするようになりました。VRヘッドセットではなく、特殊ディスプレイを用いたイマーシブシアターも目にする機会が増えました。ただ個人的には第4回記事で紹介したように、ジェットコースターのようなアミューズメントとは異なり、文化や場所に由来するコンテンツに注目しています。
ロケーションベースエンタテイメントは以前から存在しているものではありますが、SNSを見ていると、3Dを使ったより豊富な表現コンテンツ、バリエーションが増えてきた印象があります。
もともとCGを使うことのハードルが高いうえに、特殊スクリーン・機器向けのコンテンツはさらに制作時間のかかるものでした。制作コストが下がったこと、VRヘッドセットの場合も運用ハードルが下がったことなど、昨今の技術進化によってコンテンツ表現に新しい波が来ていると捉えています。
ここまで大規模でないにせよ、大型の施設にはディスプレイと何らかのコンテンツが必須です。実空間と映像の融合、という切り口からアプローチをしていくことも、没入型コンテンツの経験値を活かせる良い文脈と言えるのかもしれません。