リアルの代わりでなくライブ配信ならではの価値を ライブやイベントのありかたをバルス・林さんと考える

リアルの代わりでなくライブ配信ならではの価値を ライブやイベントのありかたをバルス・林さんと考える
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2020/07/17 08:00

 リアルとバーチャルの融合で新たな体験を創造するXR Techカンパニー・バルス。その主軸のひとつは、XRライブプラットフォーム「SPWN」事業だ。SPWNでは、ライブハウスや映画館などさまざまな場所がVTuberやバーチャルアーティストのステージとなり、ウェブアプリと連動することでアーティストとファン双方による参加型のライブを実現している。コロナ禍によりリアルイベントのありかたが見直される今、バルスは「SPWN portal」事業を開始。SPWN portal事業はバーチャルアーティストに限らず、リアルアーティストや演劇、ビジネスセミナーなどさまざまなイベントのオンライン配信が可能なプラットフォームだ。そんなSPWN portal事業が、今年4月下旬から5月末までの約40日間の流通金額が1億円を突破したことを発表。この数字からもライブ配信サービスの需要の高まりを感じることができるだろう。ライブ配信サービスはいまどのような状況なのか。イベントやライブはどう変化していき、どうあるべきなのか。バルスの代表取締役 林範和さんに話を聞いた。

世界中で同時に盛りあがれるものを XR Techカンパニー起業の理由

――まずは、林さんのご経歴と起業したきっかけなどについて教えていただけますか?

最初は金融機関で5年半ほど働き、ファンドに転職して3年弱、さらにゲーム会社に転職してこちらも3年弱、そして今に至るというかたちです。

起業の経緯としては、前の会社で香港やシンガポールに行かせてもらったときに、言葉がわからないのにアニメやイベントに熱狂してる人たちを見て圧倒されたんですよね。そのときに、今後ARやVRといったテクノロジーが普及していけば、いまいる場所に関係なく世界中の人が一緒に盛り上がれるようなものが作れるのではないか、と思ったのがひとつです。

もうひとつは、私が大学に入る前、専門学校で音楽の勉強をしていたこともあり、そういったエンタメ事業にもともと興味があったんです。考えた結果、スマホの次にくるメディアは平面ではなく、ARやVRといった空間を扱うものではないかと思い、そういった新しいコンテンツを作っていきたいと考えるようになりました。

最初は、技術を使って新しいエンタメを作るべく、ARやVRなどの土台となるCGを使ったライブ制作などをしていこうと思っていました。ですが、2018年ごろの日本はVTuberブームの真っ只中だったこともあり、VTuberさんも巻き込み、さまざまな形のライブやイベントを行っています。

いまお話しした、あらゆるスペースをVTuberやバーチャルアーティストのステージにすることができるXRライブプラットフォーム「SPWN」事業は、バルスの主軸事業のひとつです。

それ以外には、深度センサーつきカメラとパソコンだけでバーチャルキャラクターを動かすことができる「どこでもVTuber」をはじめとしたキャラクター制御事業、VTuberなどのアーティストマネジメント事業のふたつをメイン事業として展開しています。

 

――ライブ配信サービスのトレンドについてはどのようにお考えですか?

ライブ配信ができるというシンプルな部分は、当初YouTubeを活用して無料で行っていた方が多かったですが、無料でできることに限界を感じると、ニコニコ動画さんや弊社のようなサービスを探し出して使っていただいていた印象があります。

ただ、このコロナ禍により、リアルのライブは当面難しいのではないかとの見方をうけ、今年5月にはe+(イープラス)さんやぴあさんがライブスストリーミングサービスをリリースしたり、LINE LIVEさんやSHOWROOMさんのように、投げ銭アプリに近い部分に重点を置いた形でライブ配信サービスも続々と登場してきました。

このようにたくさんのサービスがリリースされたことで、チケットを売ってライブを配信するだけでいいのならば、いまどこが安いのかが主催者さんの重要な指標になってしまっているように感じています。

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