動画広告の鮮度を保つために PDCAならぬ“PDSSA”で組織力を底上げする編集チームの挑戦

動画広告の鮮度を保つために PDCAならぬ“PDSSA”で組織力を底上げする編集チームの挑戦
2019/09/02 08:00

 サイバーエージェントの調査によれば、2017年の1,374億円から2020年には2,900億円にまで拡大すると予測されている動画広告の市場規模。そんな動画広告を生業としているのが、2015年に設立されたCyberBullだ。同社では、ゲームアプリなどを中心に年間7,500本もの動画広告を制作している。右肩上がりの市場を背景に数多の動画制作会社がひしめく中、同社ではどのようにして他社との差別化を図っているのか。クリエイティブ局チーフディレクターの岡田直樹さんに話を伺うと、そこにはチーム力を向上させる独自の取り組みが見えてきた。

チーム力を向上させる“PDSSA”サイクル

 花王、ダイソン、ロッテ、メニコンといった有名企業からゲームアプリに至るまで、さまざまな商材の動画広告を手掛けているCyberBull。同社には40人あまりの社員が所属しているが、その半数以上が、プランナー、プロデューサー、カメラマン、CGクリエイターなど、直接動画制作に関わる仕事を行っている。

 同社最大の特徴は、クリエイターが企画・制作のみならず広告効果の分析までをも手掛けていること。クリエイティブをつくる能力だけでなく、マーケターとしての知見も要求されるのだ。岡田さん自身、前職ではポストプロダクションを行う編集スタジオに在籍しており、動画の企画や分析といった業務に携わるのはCyberBullが初めてだったという。

「CyberBullに入社したのはおよそ2年半前。それまで企画を立てるノウハウやマーケティング知識などは持っていなかったのでとても戸惑いましたね。とにかく、仕事をしながら1つひとつ知識を身に着けていきました。人的リソースも限られている中、ひとりひとりが担当分野を広げていかなければ会社は成長していくことができません。エディターチームも、動画広告の効果を分析し、数字を見ながら取り組んでいます」

 そんなCyberBullでは、通常の「PDCA」ではなく、「PDSSA」を意識している。従来のCにあたるCHECKに代わって取り入れられる「SS」とは、「Study」と「Share」のこと。施策の結果から学び、その学びを共有することでチーム全体を成長させているのだ。

「クリエイター自身が動画広告の効果を分析しながら改善提案をすることによって、『このクリエイティブはなぜよかったのか?』と、営業とは異なったクリエイティブの視点から深堀りし、新たな学びを得ることができる。そして、新しいクリエイティブの創作に反映していくというのが『Study』の考えかたです。一方『Share』は、Studyで得られた学びをチームで共有し、アーカイブ化していくこと。動画制作においては、どうしてもひとりで案件を進めていくことが多く、知識が属人化してしまいがちです。蓄えたナレッジをシェアしながらチーム全体が成長していくように心がけています」

株式会社サイバーブル クリエイティブ局チーフディレクター 岡田直樹さん
株式会社サイバーブル クリエイティブ局チーフディレクター 岡田直樹さん

 案件から得られた学びを共有していくために、週に1回定例ミーティングを開催している。そこでは、数字をもとにした「よかった」「悪かった」という結果だけでなく、その背景までもしっかりと共有することで、学びを「使える」ものにすることを心がけていると岡田さん。

「キャンペーンの設計やターゲット、そして商材によっても求められる広告は異なってくる。案件の背景を理解した上で情報を共有しなければ別の案件に活用することができません。そのためにも、マーケティングの知識が不可欠になるし、感覚だけではなく『なぜ、よかったか』『なぜ、悪かったか』を明確に言語化していく必要があるんです」

※この続きは、会員の方のみお読みいただけます(登録無料)。