こんにちは。株式会社D2C Rでクリエイティブプランナーをしている久保文奈です。以前メンバーが担当した記事では、キャラクターを活用し広告効果を高めていくための3ステップについて解説しましたが、今回はさらに深堀り。運用型広告で、キャラクター訴求のクリエイティブをより魅力的に制作するポイントについてお話しします。
ソーシャルゲームにおけるキャラクターの重要性
まずは、ソーシャルゲームの利用実態から見ていきましょう。
クロス・マーケティングの調査によると、この1年間にスマホゲームを1回以上プレイした人は全体の52%、月に1回以上プレイしているのは48%と約半数を占めています。この数値から、スマホゲームは多くの年代で日常的にプレイされていることがわかります。
また、コロナ禍の影響からかスマホゲームのプレイ時間も伸びており、それにともない、プレイに費やす支出も増えているようです。
猿楽庁が2022年1月に実施した「課金にまつわるユーザー調査」を見ると「キャラの魅力」「ストーリー性」「綺麗なグラフィック」がコア層、ミドル層、ライト層でも大きな割合を占めており、特にミドル・ライト層では「キャラの魅力」が新しく始めたゲームを継続する決め手の中でも重要な要素になっていることがわかります。
キャラクター訴求クリエイティブの基本は「ギャップ」
ここからは、ゲームを継続する重要な要素である「キャラクターの魅力」をクリエイティブ内でより効果的に深堀りするために必要なポイントを解説していきます。
結論からお伝えすると、キャラクター訴求では、ギャップを見せることがクリエイティブ表現において勝ち筋であると考えています。
近年「ギャップ萌え」という言葉が日常的に使われるようになりましたが、それほど人は見た目や第一印象とのギャップに惹かれることの表れではないでしょうか。ではなぜ、人はギャップに魅力を感じるのでしょう。
そのひとつの理由として、心理学の「ゲインロス効果」が関係していると言われています。「ゲインロス効果」とは、人の心理において、プラスとマイナスの変化量が大きいほど人の心に影響を与える度合いが大きくなる効果を指します。つまり、「最初は相手にマイナスの印象を与え、その後プラスに転じたほうが、より良い印象を抱かせることができる」ということです。
極端な例ですが、真面目を絵に描いたような装いの学生がゴミ拾いをしていると、最初の印象とのギャップが少なく記憶に残りづらいです。しかし、やんちゃな雰囲気の学生がこっそりゴミ拾いをしていると、好印象になりやすいのではないでしょうか。これがゲインロス効果です。
しかし、キャラクターのギャップを見せる場合には注意しなければならない点があります。ギャップには、マイナスのギャップとプラスのギャップがあり、クリエイティブでそれらを表現するには、「マイナスからプラス」の見せかたをする必要があるということです。
ユーザーターゲット:「守ってあげたい!」という思いが強い男性
たとえば、男勝りな性格だと思っていたキャラクターが、実は繊細でか弱い女の子であるという見せかたをするとプラスのギャップを印象づけることができるでしょう。しかしこの順序が逆になると、このユーザーにとってはイメージダウンになってしまいます。
ギャップ萌えの基本は、良い印象に変わることです。キャラクターのギャップを探す際はプラスのギャップになるものはなにか、どこがマイナスなギャップにつながるかなどを考えながら深堀りしていきましょう。