今こそデジタルの接点を整えよう SHIPSなど5つの事例から、アプリを活用した施策のアイディアを紹介

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2023/05/10 11:00

新機能「Block UI」で目的に合わせたデザインを実現

 続いて登壇した鏑木氏は、ヤプリの機能性やデザイン性の高さに触れながら、「全く新しいアプリ基盤でモダンなUI」と謳われた画面作成の新機能「Block UI」を紹介。この機能は、ブロックを縦に積み重ねることで容易に画面を構成することができるものだ。

「従来のヤプリでは、まっさらな画面に要素を足しながらアプリの画面を作成していくことが一般的でした。今回リリースしたBlock UIでは、機能を呼び出し設置するという概念のもとで作成できる点は大きな特徴です。『お知らせ』『購入履歴』『ポイント』といったブロックをひとつの画面で積み重ねながら表現することが可能なため、非常に自由度が高い、ネイティブアプリを簡単に制作することができます」(鏑木氏)

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 そんなBlock UIを効果的に活用したアプリの事例ふたつを鏑木氏が紹介。ひとつめに挙げたのは、SHIPSの公式アプリだ。同社は顧客との接点を広げることを目的にアプリのリニューアルを行い、ECの回遊に特化したUIを実現。バナーや各要素を、少しでも購入に近づけるような形で配置している。

 またアプリを通じたEC経由の売上を伸ばすのみならず、店舗体験を豊かにしたいという思いで設計されている点もポイントだ。たとえば店舗で会員証を表示する際、アプリを操作し会員証のみが表示されている画面を提示するUIが多いが、SHIPS公式アプリでは、ECの購入履歴や試着の申し込み履歴と同じ画面に会員証が表示される。これにより、アプリを操作するストレスを減らしている点が「非常に洗練されたUI」だと鏑木氏は語る。

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 ふたつめは子育てメディアアプリ「リトルママ公式アプリ」。本アプリでは、エンジニアではない担当者が、Block UIをうまく活用することでアプリのリニューアルを行うことができたという。電子書籍を更新したり、プッシュを打ったりしたタイミングでアプリ画面そのものが自動更新される仕組みのため、運用担当者の作業時間を削減することも可能。担当者、ユーザーの双方に易しい仕様になっている。

アプリを活用した施策のポイント 値引きではないインセンティブとは

 続けて鏑木氏は、アプリを活用して独自の施策を行った事例として3つを挙げた。

 ひとつめは、藤崎百貨店公式アプリが実施したログインスタンプの取り組み。ログインスタンプと言うと貯めることで割引やポイント付与などを報奨とするケースが多い中、同社は提携している八木山動物公園のスマトラトラ「ダマイ」君へのおもてなしをインセンティブとした。1週間で貯まったスタンプ数に応じて、ランディングページが更新される仕様になっており、ダマイくんへ愛着を抱いたユーザーが思わずおもてなしをしたくなるようなストーリー設計が特徴である。

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「企画終了後、実際にたまったお肉をダマイ君が食べる様子が動画で公開されます。値引きではないインセンティブでも、ユーザーが満足感を得られるようなコミュニケーションを実施した好例です」(鏑木氏)

 また、値引き以外の特典がユニークな一例として、「お仏壇のはせがわ」の公式アプリも紹介。アプリで1日1回おみくじを引くことができ、その日の運勢やためになる仏教用語、かわいらしい動物の絵がランダムで表示される仕組みになっている。売上ではなく、「ユーザーと密な接点を持つ」ことを目的としているため、思わず毎日アプリを開きたくなるコンテンツを実装したと言う。

 3つめに挙げたのは、ライフスタイルカンパニーである「生活の木」の公式アプリ。「マイアロマ」という診断コンテンツを備えることで、ユーザーとの接点強化を図っている。

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 質問に答えることで自身に合った「マイアロマ」がレコメンドされ、登録者限定クーポンが表示される。鏑木氏は「ユーザーの状態に合わせて表示が変わるだけでなく、クーポンも搭載することで購入促進に寄与できる設計」だと解説。「担当者おひとりですべて実装された点もポイント」だと補足した。

株式会社ヤプリ カスタマーサクセス部 マネージャー 鏑木ひとみ氏
株式会社ヤプリ カスタマーサクセス部 マネージャー 鏑木ひとみ氏
▼ヤプリが提供するアプリプラットフォーム「Yappli」の活用事例は、導入事例ページよりご覧いただけます。