キーワードは「Z世代」と「AR」 一期一会の会話を体現するコミュニケーションアプリ「Snapchat」とは

キーワードは「Z世代」と「AR」 一期一会の会話を体現するコミュニケーションアプリ「Snapchat」とは
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2023/06/23 08:00

 プラットフォームやアプリが次々に登場するなか、今年2月に月間アクティブユーザー数が7億5,000万人を突破した「Snapchat」。大学生など若年層を中心に、日本でも広まりを見せている。そもそもSnapchatにはどのような特徴があるのか。企業やブランドが活用するためにおさえておくべきポイントとは――。Snapchatの今とこれからについて、Snap Japan代表 長谷川倫也さんに話を聞いた。

Z世代から絶大な支持を集めるSnapchatの特徴とは

――まずはSnapchatのコンセプトや特徴などについてお聞かせください。

Snapchatは写真のフィルターアプリと思われがちですが、僕らは「全く新しい形のコミュニケーションツール」だとお伝えしています。Snapchatは日常を気楽にシェアできるアプリ。たまに食べるステーキやお寿司、映えるスイーツなどではなく、毎日食べるお茶漬けや卵かけご飯のような写真を友だちと交換するようなイメージで捉えてもらえればと思います。

アクティブユーザーはグローバルでは7.5億人おり、フランス、アメリカ、オーストラリアなどでは、Z世代の90%が利用しています。なかでも特筆すべきは、ユーザーが平均1日30回以上、Snapchatアプリを立ち上げていること。おもしろい顔が撮れるだけのフィルターアプリであれば1日にそんな何回も開かないということからも、「日常を友達とシェアする」「写真で会話をする」ようなイメージで使われていると思います。

――なぜ、それだけZ世代に受け入れられているのでしょうか。

大きな理由は4つあると思っています。ひとつめは、Snapchatがオーディエンスファーストではなく、コンテンツファーストであること。LINEのようなチャットアプリでは最初に送信先を選びますが、相手によって送る内容も言葉づかいも変わりますよね。何かを投稿しようとするときは、フォロワーに見られることを意識することが多いと思いますが、それはオーディエンスにクリエイティビティが影響されている、とも言えるのではないでしょうか。一方でSnapchatは、アプリを開くとまずカメラが立ち上がり、ARのフィルターレンズを使って撮影したあとで誰に送るかを選ぶというUI設計。そのため、「この写真は恥ずかしいから仲のいい友だちだけに送ろう」といった使いかたもできます。コンテンツファーストであるため、ありのままのクリエイティビティを表現することができるんです。

ふたつめは、履歴が残らず消えていくこと。基本的にSnapchat上では、写真もビデオも一度見るとすべて消えてしまいます。たとえば、街でばったり友達に会って会話が始まったとき、こっそりスマホで録音して家で聞き返したりしませんよね。会話の内容は覚えていないけれど、学校帰りに友だちとお喋りを楽しんだ時間のようなほっこりした気持ちだけは残っている。Snapchatは、そんな一期一会の会話を体現していると言えるでしょう。

Snap Japan代表 長谷川倫也さん
Snap Japan代表 長谷川倫也さん

3つ目は、「いいね」もコメントも一切ないこと。承認欲求の装置をすべて外して、純粋なコミュニケーションを促進しています。少しでもよく見せようと何回も撮り直すような力学は起こらず、着飾らない、ありのままのクリエイティビティを友だちと交換することができます。

4つ目は、不特定多数ではなく、ベストフレンドのみとのコミュニケーションを目的としていること。本当に気の合う友達と、寝癖でボサボサの髪でも気にせず、毎日顔を見せ合うようなアプリです。

これらをまとめると「今この瞬間をスナップして写真を撮り、すべてのものが消えていくノープレッシャーの中で、どんなにくだらない日常でもベストフレンドと交換できるアプリ」と言い表すことができるのではないでしょうか。