初期からデザイナーも加わって進めたリブランディング
――まずはおふたりのご経歴から教えてください。
福島 大学生のときにニュース配信アプリの運営・開発を行う株式会社Gunosyを創業し、2019年まで経営をしていました。2019年にもともとグノシーの子会社だったLayerXを私自身でMBO(Management Buyoutの略で、経営陣買収の意)をし、2社目の起業という形で今に至ります。
千葉 最初の2年はエンジニアとして、残りの6年はデザイナーとしてソーシャルゲームの業界で仕事をしていました。前職では、キャラクターコンテンツづくりに携わっており、UIデザインをベースに、グラフィックやグッズ類、印刷物、イベントなど幅広く経験させてもらった後、2021年8月にLayerXに入社しました。
現在は、SaaS事業部で提供しているコーポレート支援サービス、バクラクシリーズのマーケティングデザインをを担当しており、LPやバナー、お客さまにお送りするDM、新聞広告、テレビCMなどに関わっています。会社全体のコーポレートデザインにも携わっていますが、比重としてはSaaS事業のマーケティングデザインに関わることが多いです。社内にデザイナーは4名おり、SaaS事業部に3名、Fintech事業部に1名という配置です。
――2021年12月にLayerX インボイスをはじめとする「LayerX」シリーズの名称を「バクラク」シリーズに変更するなど、サービスのリブランディングを行った経緯について教えてください。
福島 LayerX インボイスという名前自体、サービス開始当初あまり考えずに決めてしまったんです。ただ、お客さまが増えていく中で、たとえば地方のお客さまに電話で説明させていただく際、「サービス名が読めない」、「ライヤーエックスさんですか?」といった声をいただくことが多かった。そこで改めて僕らがこのサービスで伝えたいことを考えてみると、会社名を広めたいわけではなく、サービスで何ができるかをもっと直感的に誰でも理解できたほうが良いと思ったことが、リブランディングの発端です。
まずは、マーケティングや営業チームから「このままでは売れません」、「名前をお客さまが読めません」という声をもらった段階で、現場のメンバー主導でリブランディングを行うことを決めました。そのあと、SaaSの事業責任者やデザイナーのメンバーふくめ、数ヵ月でスピーディーに進めるべく、少人数でスタートした形です。実際には9月末にプロジェクトが立ち上がり、11月末に名称が決まり、12月10日に公開しました。
千葉 私がそのなかでまず行ったことは、デザイナー視点でのアイディア出しです。デザインの観点からバクラクという名称がどういう印象を与えるのか、競合サービスと比較し、ポジションを取るとしたらどこが空いているのか、多くのユーザーさんがサービスをみてどう感じるかなどについて意見を出しました。
プロジェクトの後半では、「親しみやすい」、「直感的」というリブランディングによって決まった新たなトンマナのキーワードをもとに、色、フォント、イラストのテイストの3つを決め、それらに沿って制作物をつくっていきました。