Midjourneyでロゴを作成してみて感じたこと
今回は、シンプルで簡単な使いかたとそのデータの修正方法をチュートリアル的に紹介してきました。プロンプトを入れるだけで、ロゴが瞬時に生成されますが、より詳細に指示をし、さらにロゴデザインをアップデートしていくことはまだまだ可能でしょう。時間や工数の短縮につながったり、これからはAIでベースを作成し、そこからリデザインするといった流れも生まれるかもしれません。
しかし、同時に別の大きな気づきもありました。
ロゴデザインやロゴ自体の本質とは
その気づきとは「どんなロゴが生成されるのかなという期待やワクワク感は多少あるにせよ、できあがったロゴ自体にワクワク、感動することはなかった」。つまり、「心が動かなかった」ということです。
その原因を考えてみると、ロゴがどのようなストーリーや背景などから出てきたものなのか、その価値やミッションなど把握しにくく、複数出てくるプロセスやアウトプットから得られるものがとてもわかりにくいことが一因であるように思いました。
では、そもそもロゴとはいったい何なのでしょう。私は次のようなものだと考えました。
- 企業やブランドのアイデンティティを象徴するシンボル。
- 視覚的な印象を与え、顧客やユーザーにそのコンセプトや特徴を伝えるための手段。
- プロダクトやサービス、信頼などの要素を示し、顧客の感情や態度を形成し、ロゴを見るだけで多くの人に理解してもらうためのもの。
アイデンティティや視覚的な要素(黄金、白銀比なども含まれる)がロゴ作成のプロセスで考慮されていない(考慮しても反映するのが難しい)ため、現段階でAIによってロゴを生成する行為は、そもそもロゴの意味をなさないのかもしれないとも感じました。
- 企業名
- 企業の背景やストーリー
- ミッションや価値観
- ターゲット層
- 独自のアイディアやモチーフ
- タイポグラフィ
- カラー
- 視覚的特徴(黄金、白銀比なども含む)
こういった要素を表現して初めて「ロゴ」となりうるのではないでしょうか。そしてそれが、本質なのではないかと思います。
私自身、まだまだMidjourneyを使いこなせておらず、仕上がりをアップデートしていくことは可能なため、引き続き注目しながら活用していきたいです。また「ChatGPT」にMidjourneyのプロンプトフォーマットを学習させ、プロンプト自体を作成して進めていくやりかたなどもありますので、それらは追って紹介していければと思います。
まとめ
今回は、MidjourneyとVectorizer.AIを活用してロゴを作成してみました。基本的な生成と編集の仕方は理解していただけたかと思います。私も、改めてロゴそのものがもつ本質を感じるきっかけにもなりました。
アウトプットの過程をみると、ロゴ作成時に必要な要素や考えかたを意識したり、言語化・可視化により共通意識や判断基準をもつことができたりするため、画像生成AIはデザイナーの意識を高める効果もあるのではないかと思いました。AIを活用したサービスが増え、今後さらに精度が上がっていく中で、デザインの本質を見失わずにツールをうまく使いこなせるようにしていくことが大切なのではないでしょうか。
この記事がUIUXデザインを考えるひとつのヒントとなれば幸いです。それではまた次回の記事でお会いしましょう。
以上、新谷でした。ありがとうございました!