スマートキャンプ株式会社のデザイン戦略部で部長を務めている山本です。スマートキャンプは、会社のフェーズが変わったことで、部長ふくめ当時デザイン戦略部に所属していたメンバーがほぼ全員退職した3年前から再度チームをつくり、「組織」として走り出しました。
そのプロセスとポイントを紹介する全3回の連載、第1回では、組織の立ち上げから採用までをお伝えしました。第2回となる今回は、採用したメンバー全員の目線合わせのための取り組みを「デザイン組織内のコミュニケーション」として紹介。
その具体的な取り組みのひとつ「デザイン組織MISSIONの策定」について、そのための行った合宿やワーク、その過程で得られた知見を共有できればと思います。
- 第1回:組織0→1フェーズと採用
- 第2回:デザイン組織内のコミュニケーション(今回)
- 第3回:評価制度やフローの整備(次回)
組織全体の目線合わせとMISSIONの策定
MISSIONとは、組織が「何のために存在するのか」を明確にしたものであり、日々の活動や意思決定の基盤となります。一方VISIONは「将来どのような状態になりたいのか」を描いたもので、組織の中長期的な夢や目標を表現します。
第1回の記事でも触れましたが、スマートキャンプのデザイン組織は「絶対に社内受託にならない」「デザインを競争優位性にする」のふたつを組織の軸に掲げています。これらは短期から中長期の指針であり目標であるため、「中長期でどのような状態になりたいのか」を示すVISIONと同じ役割を果たしています。
その前提であらためて考えたのは、「この組織のMISSIONはなにか」ということです。この組織が「何のために存在するのか」「何を目指しているのか」を、志を同じくジョインしてくれたメンバー全員でディスカッションし、それらを策定することが、組織内コミュニケーションにおいてもっとも重要な第一歩だと考えました。そのために行ったのが全員の目線合わせとMISSION策定を目的とした、一泊二日のデザイナー合宿です。
MISSION/VISION策定のための合宿で行ったワークとは
まず、「自分自身の使命」「目標」「価値基準」を書き出し、それらを組織のMISSIONとVISIONにつなげて考えられるようなワーク設計を実施。具体的なアジェンダは次のとおりです。
ワーク1:個人の使命と目標を書き出す
最初はデザイナーとしての使命と目標、価値基準を書き出し発表しました。
このワークを行う際の思考法では、サイモン・シネックさんの「ゴールデンサークル理論」を参考に、自分の「なぜ?」にフォーカスしながら掘り下げて記入していきました。
自分の過去の経験を振り返りながら、自分が「なぜ」今デザイナーとして働いているのかを明文化することによって自己理解を深め、さらにほかのメンバーの発表を聞くことにより相互理解を深めました。