性能を理解しきれないなかでサブモニターを購入
在宅勤務がまだまだ続くと感じた鹿児島さんは、自宅の作業環境を整えるべく、サブモニターの購入に踏みきる。すでに使用していた13型ノートPCの横に27型フルHDのサブモニターを設置し、画面を拡張した状態で作業を進めた。
「サブモニターを導入してからは、デザインの作業は外部モニターで、資料や赤字などはノートPCの画面に映し、見比べながら作業することが多くなりました。私は誌面のデザインを行うことも多いので、机の上のスペースは広めに確保し、出力した資料も同時に確認できるようにしています」
一言でサブモニターといっても、市場で目にする製品の性能はさまざまだ。自身にとって最適なモニターを選びたいと思っても、モニターの仕様をすべてを正しく理解できる人は少ないだろう。鹿児島さんも、購入時に悩むことは多かった。
「メカニックな知識がなかったので、自分で性能を調べてもその違いを正確に理解することはできませんでした。結局、同僚のデザイナーがモニターを買ったという話を聞いたうえでネットのクチコミを確認し、同じものを購入したのです」
こうして購入したサブモニターを設置し、作業効率は無事改善されたかに思えた。しかし想像と異なる部分もあった。対応する色域が鹿児島さんにとって十分ではなかったのである。
「購入したモニターで表示した色味とノートPCでの表示や出力したときの色味にかなり差があると感じました。もちろんアウトプットの色は、ユーザーの環境や印刷に依存します。ですが、自身の制作環境のなかでは、なるべく色味の差を少なくすることができたらと思っていたんです。
モニターでそれを調整する良い方法があるのかもしれませんが、設定画面がわかりづらく、機械に疎い私では上手く設定することができませんでした」
デザイン業務で使用できる精細さをもつVX2785-2K-MHDU コスパの高さも魅力
今回はそんな鹿児島さんに、ViewSonic製の27型WQHDモニター「VX2785-2K-MHDU」を使ってもらった。ViewSonic(ビューソニック)は、1987年に創業したアメリカの老舗ブランド。高品質なディスプレイメーカーとして知られている。
VX2785-2K-MHDUは、同社が2020年4月に発売した27型の最新モニターであり、優れた工業製品を選定する「iFデザインアワード」も受賞。価格も4万円前後で、リモートワーカーも手に取りやすい製品として注目されている。
同製品は、工具なしでの組み立てが可能だ。スタンド部分は、丸みを帯びた形状になっており、ディスプレイとケーブルを背面で束ねるための円形リングも設置。外観は全体的にスッキリとした印象だ。背面にはVESA規格のマウントも備えており、モニターアームや壁面の設置にも対応できる。
ディスプレイの解像度はWQHD(2560×1440ピクセル)、つまり2Kだ。4Kディスプレイではないものの、フルHDの約1.8倍の情報量を表示でき、十分にデザイン業務でも使用できる精細さでコストパフォーマンスは良いだろう。視野角によって輝度や色変化の少ないIPS方式の液晶パネルを採用しているため、ノートPCの横に設置する使いかたにも適している。
また、インターフェースはHDMIとDisplayPortの入力端子のほか、USB Type-Cも搭載。モニター自体に3W出力×2基のステレオスピーカーが備わっているので、動画の視聴や編集、ゲームなどでも使用できる。