「効果が出るクリエイティブ」とは何か
では、成果を出すことができる企業とそうでない企業の“クリエイティブ”は何が違うのか。それはクリエイティブ1つひとつの差ではない。
「リチカが企業に伴走する中で見えてきたのは、クリエイティブの運用体制による違いが大きいということ。クリエイティブを継続して検証し改善できているのか。これに尽きると考えています。Facebookの調査でも、クリエイティブのテストと最適化によって、広告の新規購入単価が23%改善するというデータが出ており、運用で差がつくことは明らかです」
そのうえでクリエイティブ運用のポイントとして田岡氏が挙げたのは、「メッセージング」「プランニング」「体制づくり」の3つだ。
メッセージングで誰に何をどのように伝えるのか。プランニングで、何からどのように検証するのか。そしてクリエイティブを量産できる体制をどのようにつくるのか。この3点のなかでとくに成否をわけるのは「メッセージング」だと田岡氏は言う。
「誰のどのような問題を解決し、どういったメリットを提示できるのか。その仮説をしっかりと組み立てることができているかが重要です。リチカはそのための独自のフレームワークをもっており、実際にデジタルマーケティングや広告の改善に活用しています」
クリエイティブの使い回しはNG! 配信面への最適化でおさえたい5つのコツ
このような対策をとったとしても、思うようにクリエイティブの成果が出ないこともあるだろう。そんなときに気をつけたいのが配信面への最適化だ。「配信面ごとに最適なクリエイティブが異なることは、プラットフォームとの研究でわかってきた」と語る田岡氏は、各配信面に最適化する際の5つのポイントを紹介した。
ひとつめの要素は「構成」。まずは冒頭にキーメッセージを打ち出すことが重要だ。2点めは情報量。動画広告では情報過多で失敗するケースが多い。そのためリチカでは、Yahoo! JAPANのタイトル文字数と同様、「1シーンに15.5文字」を推奨している。
「広告は誰もが読みたいわけではなく、あくまでも目に飛び込んでくるもの。そういった性質をふまえた情報になっているかがポイントです」
残りの要素は、長さ・サイズ・音の3つだ。これらの規定は配信面ごとに適切なものがある。たとえば、SNSではサウンドなしでも伝わる形が理想的であるし、Facebookではフィード面における占有率が高いため、シーン構成があるものがオススメだと言う。なお、リチカの調査によると、これら5つのポイントを満たしている企業はわずか8%だ。
「つまり残りの92%の企業は、これらを改善するだけでも大きな成果が見込めるのではないでしょうか」