広告やPRをいかに活用するか クリエイターが企画の段階から考えておきたいメディアプランの話

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 面白いアイディアがあるのになかなか実現まで至らない。斬新な企画を世の中に打ち出したいけれど何から始めたらいいかわからない。そんな風に考えるクリエイター、マーケターの方に向け、本連載では「面白いアイディア」を実現するためのヒントをお伝えしていきます。第8回は、広告やPRなどのメディアプランをテーマにお届けします。

公開後も続くクリエイティブの仕事

 アイディアの着想から実現まで、数ヵ月から半年くらいの時間を要することが多いと思いますが、世の中に公開されると心底ほっとしますよね。クリエイターであれば、公開をひとつのゴールとして捉えている方も多いのではないでしょうか。

 表現を作るプロセスという意味ではまさにその通りなのですが、「表現やコンテンツ、メッセージによって、人の感情や認識に変化を与え、行動を変える」という広告本来の目的を考えると、公開してからもクリエイティブの仕事は続いていると言えるように思います。

 突然ですが、クリエイティブ部門の皆さんはメディアプランを見ていますか?見ている方は、そのプランをどのくらいの解像度で理解して、プランづくりに関与していますか?

 言うまでもなく、メディア部門の専門的な知識を持つプランナーが主体となって作るべきものであるとは思うのですが、同時に企画そのものを考え出したクリエイター自身も「どのメディアを使って」、「いつ・誰に届けるべきか」を一緒になって考えるべきだと思っています。

 なぜなら、作品づくりそのものが目的のアート表現とは異なり、コミュニケーションの課題を解決するためのクリエイティブ表現やコンテンツに関しては、公開日は世の中に披露するスタート地点であって、ゴールではないと思うからです。だからこそ、最初にアイディアを考える時点で、それが誰に、どのようなメディアを介して伝えると効果的であるかも、セットで考えるべきだと感じています。

 たとえば、動画が企画の核になるプランを想定してみましょう。それを、15秒に凝縮したTVCMで見せるのか、尺に制限のないYouTubeが良いのか、よりシェアが期待できるTwitterやFacebookを使うのか――。限りあるメディアの予算を、どこにどのくらい配分して露出させるかを判断することは、メディアプランの領域であると同時に、アイディアの力で「意識変容」や「行動変容」を促すクリエイティブの領域でもあるはずです。

 同時に、メディア露出によってもたらされた結果が数値化されたレポートをひも解くことも重要だと思っています。仮説に基づいて組み立てたプランに対して、その結果が表れるレポートで答え合わせしていく感覚です。自分の仮説通りの結果になることもあれば、予想以上に反響があることもあります。逆に、仮説と大きくズレた結果が出た場合には、その要因を分析することで次の企画の精度を高めることにもつながります。

 メディアプランとは、人の心理や行動を先読みするような、ものすごくクリエイティブで奥深いものなのです。

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