カギは「どこにピークをつくるか」 ブランドに関わるクリエイターが知っておくべきWeb3の勘所と対処法

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2022/03/11 11:00

今後必要なのは「投票と投資」

 2021年8月、バーバリーはミシカル・ゲームズと協業しNFTコレクションを発表した。同年12月にはナイキが仮想スニーカーブランド「RTFKT」を買収し、同時期にadidas Originals は限定NFTコレクションをリリースするなど、各ブランドがNFTに熱視線を送っている。

 Web2.0では、SNSなどのプラットフォーム上でインターネットに「参加」することができるようになったものの、その背景には、プライバシーやセキュリティ面の課題、ESGなどの動きがあった。こういった問題をすべて解決できる可能性を持つのがWeb3.0であると、河野さんは指摘する。

「モノがあふれる現代に、モノを買うことだけに帰結していいのか。リアルな世界の『物理的な商売という枠における消費』しか答えはないのか――。そう考えてみると、ほかの選択肢もあるように思います。それが、さまざまなブランドで少しずつ始まっている『投票や投資』です。好きなブランドが発行しているNFTを買うこともそのひとつです。モノを消費するだけではなく、投票や投資を意識しながらブランドビジネスを進める動きが増えているのは、ただモノを売ることには限界があると、ブランドが気づき始めている表れかもしれません。

とくにZ世代やその先のアルファ世代と言われる人たちは、どんなに流行っていても自身の主義や思考と合わなければ、そのモノを購入することはありません。そういった人たちに、お金を払っても良い、つまり投票や投資をしても良いと共感してもらえるような活動をする必要があります。

そんな中、コンテンツ国家である日本は、ほとんど成約がないNFTと非常に相性が良い。ブランドのコンテンツには多くの可能性があると感じています。ブランドが今までのプロダクトではなく、NFTを活用し“メタ”なプロダクトをつくっていく。こういったアクションが、今後のブランド活動で求められていくのではないでしょうか」